Good Old Music 、Fantastic高校野球

林業家kagenogoriが70's~80'sの珠玉の音楽、そして高校野球、etc.についてのたまうブログ

Go-Go'sだからってバカにしちゃいかん

 

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 Go-Go'sを馬鹿にしてるのはどこのドイツだ、とウチのまる君(左)もスルドイ眼光で申しておりマス。

 

 昔いたんだよ、Go-Go'sってだけでバカにしてくる輩が。

 バカなのはオマエだ、と平和主義のワタシは心の中でつぶやいておりました(笑)。

 

 そして当時のワタシはまだ気付いていませんでしたが、彼女たちの音楽の中にこそ、アメリカのRockのソコヂカラというものが潜んでいたのデス。

Beauty And The Beat

 

 今でこそガールズ・ロックバンドなんて普通にいるけど、80年代初頭の当時なんてその存在そのものが、まぁ珍しかったわけデス。

 それまでに有名だった女性だけのグループなんて、それこそ(Rockじゃないけど)ノーランズとか(笑)。

 下着姿でRockしてた(笑)ザ・ランナウェイズとか。 

ライヴ・イン・ジャパン

ライヴ・イン・ジャパン

 

  いや、ノーランズはともかくとして(笑)、ランナウェイズは好きでしたよ。

 Rockしてたし、音作りも完璧だったし。まぁリアルタイムでは無かったんデスが。 ジョーン・ジェットが造ったバンドだというのも後で知った。

ザ・ランナウェイズ

ザ・ランナウェイズ

 
クイーンズ・オブ・ノイズ

クイーンズ・オブ・ノイズ

 

  ただ当時の日本は社会が今のようにRock慣れしてないというか、外見だけを見てキワモノ扱いしたり、カワイ子ちゃん(死語.笑)を集めたグループだから売れてるんでしょ? みたいな扱いがメディア、マスコミの間にもあったわけです。

 

 世間のレベルがそんなモンだから、高校生だったワタシの同級生なんかも、そこらヘンのオネーチャンみたいな外見(笑)のGo-Go'sをバカにしてくる。

ヴァケーション

 彼もラジオなんかで彼女たちの曲を耳にしてるハズなのに、自分の脳ミソ、自分の価値観で判断せず、世間的なコテーガイネンとかセンニュウカンだけで。

 だからワタシは「バカなのはオマエだ」と言ったわけです。心の中で(笑)。

 

 ではナニユエに、ワタシはGo-Go'sが好きなのか。好きだったのか。

 

 当初は自分でもわかってなかったけど、大学生になったころにようやくその理由に気付いた。

 そしてそれコソが、日本のRockに欠けていた、英米Rockのソコヂカラともいうべきヒミツだったのデス。おおげさですが(笑)。

 

 それはビートBEATなんデス。

 Go-Go'sの何がイイかって、どのアルバムも全編にわたって、小気味よくも力強いビートの雨アラレなんデス、これが。

 「We Got The Beat」という代表曲がありながら、なんでコノコトに気付かなかったか(笑)。

 

 そしてランナウェイズを好きだった理由も、ビシバシ来る鞭、ではなく(笑)、ビシバシ来るBEATにこそあったんデス。

 決してコスチューム好きで買ったワケじゃ無かったんだナ、ヨカッタヨカッタ(笑)。

ベスト・オブ・ザ・ランナウェイズ

 

 ソーイエバ、と思って当時自分が好きだった洋楽のアルバムを片っ端から引っ張り出して聴いてみると…。

 全部BEATしてるッ!(笑)

 

 で、そのことに遅ればせながら気付いてしまったワタシが驚愕したのが、そこらヘンのオネーチャンと大して変わらないような(笑)Go-Go'sのヒトたちが、何食わぬ顔でフツーに、スゴイBEATを叩き出してるってコト。 

  BEATこそがRockの「強さ」を生み出す。

 そしてそれこそが、英米のRockと日本のRockの大きな「差」だってコトに気付いてガクゼンとしたのだ。

 

 今の日本の若いミュージシャンの人たちは、その辺、しっかり押さえているけど、当時の日本のRockは、いかにもその辺(BEAT)が貧弱というか、意識が低かったように思う。

 もちろんソコはしっかり理解してて、ちゃんとBEATして、ちゃんとした「音」作りをしてたヒトたちも沢山いましたよ。 

The 20th Anniversary Edition 1980-1999 his words and music

The 20th Anniversary Edition 1980-1999 his words and music

 

  佐野元春とか、シーナ&ザ・ロケッツとか、暗黒大じゃがたらとか、外道とか、 

南蛮渡来

南蛮渡来

 

山下達郎とか、 

SPACY (スペイシー)

SPACY (スペイシー)

 

  もっと古いトコでははっぴいえんどとか。

はっぴいえんど

はっぴいえんど

 

 

 でもBEATの重要性をわかってないんじゃないかと疑ってしまうようなミュージシャンが大半だったように思う。

 とくにテレビに出てたような人たちや、若手(当時)だった人たちが、そうだったような気がする。

 

 目を転じて英米、とくにアメリ

 彼の地のRockを聴いてると、別に意識せずとも生まれながらにというか、その血そのDNAのなかに、リズム感とかBEATとかが、すでに刷り込まれていんじゃないかと思えてしまうコト、多々なのでアリマス。

 だからこそ、そこらヘンのオネーチャン(三回目.笑)のような女の子だけのバンドでも、それなりのビートを叩き出せる。

Talk Show

Talk Show

 

 そしてそれこそが英米とくにアメリカのRockの底力だった。

 まだ若い当時のワタシはソコに気付いてしまったのデス。

 

 いまでもその考え(というか感性?笑)はまったく変わっていなくて、いまだにGo-Go'sランナウェイズも飽きずに楽しく聴けるというのは、BEATの快感があってこそ。

 

 Go-Go'sのオリジナルアルバム三枚は、どれもいいけどオススメはやっぱり一枚目の『Beauty And The Beat』。 

Beauty And The Beat

Beauty And The Beat

 

 コレデモカという小気味よいBEATの嵐を堪能してくれ。

 それにしてもアルバムタイトルにも「Beat」とあるのに、なんでもっと早く気付かなかったのか…(笑)。

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秋のオススメGood Old Music 洋楽Pops編

 今日9月13日は中秋の名月。秋ですな。

 話しはガラッと変わるが(笑)、Rock編、Pops編と分けたけど、両者の境目なんてじつにあいまいなモンで(笑)、まぁテキトーなイメージ(笑)で分けてますんで、アシカラズ。

 先に言い訳しとくと気持ちがラクチンになるね(笑)。

 

 

カーリー・サイモン『ノー・シークレッツ』

No Secrets

 スミマセン。

 ジャケット写真の素晴らしさ(笑)に目がくらんで思わずジャケ買いしてしまったのは、若き日のワタシです(笑)。

 それから数十年、未だにこのジャケの素晴らしさは色褪せることを知らない(笑)。

 その名も『ノー・シークレッツ』

 そりゃぁ、ここまでさらけ出してしまえばヒミツなんて無いも同然でしょうな(笑)。

 

 それはともかく(笑)、「恋多き女」と呼ばれる女性アーティストは数多いが、70年代のカーリー・サイモンジョニ・ミッチェルキャロル・キングの三人はその代表。

 どことなく声も似てるような気がする三人(笑)だが、勝手なイメージとしては、「猛女」(笑)のイメージがあるジョニ・ミッチェル(スミマセン、個人的感想デス)、家庭的なイメージのキャロル・キング(個人的感想デス)に対して、カーリー・サイモンはやっぱり「セクシー」ということになるんでしょうな(笑)。

 

 それはともかく(笑)、このヒトの「声」そして「曲」を聴いてみて欲しい。

 若かりし頃、夏が終わってナゼカ傷心でいることが多かった秋口のワタシ(笑)が、どれほどこの「癒し」のパワーに救われたことか(笑)。

 シングルカットされた代表曲「うつろな愛」タイトルにも励まされマシタ(笑)。

 アナタもぜひ癒されてみてはイカガでしょう(笑)。

 もちろんジャケ買い👌(笑)。

  ちなみにキャロル・キング『つづれおりタペストリも秋にオススメの名盤。

Tapestry

Tapestry

 

 

 

  

ホール&オーツ『H₂О』

H2O

 ロック界随一のデュオ、ホール&オーツの最高傑作。

 内容も実にRock。何故「Rock編」で書かなかったのか(笑)。

 それはともかく(笑)、以前山下久美子『BLONDE』について、”肌が冷気に包まれる秋の夜、湯気が立ち込める自宅の風呂場で聴きたい” みたいなことを言ったと思うが、この『H₂О』などまさにそのシチュエーションで聴きたいアルバムである。

 相変わらずPOPなメロディと対蹠的な乾いたサウンド・乾いたビートがそう思わせるのか。

 

 

 

ウィリー・ネルソン『スターダスト』

スターダスト(期間生産限定盤)

 昔から秋の夜長にはウィリー・ネルソン『スターダスト』と決まっている(笑)。

 タイトル曲をはじめとして、ウィリーの訥々(とつとつ)とした”語り口”の歌が、長い人生の重みを感じさせて味わい深い。

 一生付き合える名盤である。

 

 

 

ドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』

The Nightfly

 秋の夜長第二弾(笑)。

 82年の秋は音楽史に残る秋だった。

 なぜなら日本では南佳孝Seventh Avenue South』、そしてアメリカではドナルド・フェイゲンが満を持してこの『ナイトフライ』を世に出したから。

 こうして我々人類は秋の夜長に聴く音楽には困らなくなった(笑)。

 玉のように美しい音を自在に操りながら、彼はジャジー夜の音をここに極めてしまった。

 これに対抗し得る作品など、もはや不可能に違いない。

 

 

 

ニール・ヤング『ハーヴェスト・ムーン』

Harvest Moon

 と思っていたら、ちょうどその10年後、ニール・ヤングがやってくれた。

 92年に発表された随喜の涙チョチョギレ(死語.笑)の大傑作、その名も『ハーヴェスト・ムーン』中秋の名月

 秋の夜長第三弾(笑)。

 彼の代表作として一般に有名なのは70年代の『ハーヴェスト』だが、ワタシは圧倒的にこれを推す。

 中秋の名月を愛でながら、過去の失敗や今はもう消息さえもわからない友人たちに想いを馳せるのもいいだろう。それも人生。

 ニール・ヤングにしか出せない味わいである。

 

 

 

アート・ガーファンクルシザーズ・カット』

シザーズ・カット~北風のラスト

 天使の歌声。静かで、強い。

 季節の移り変わりの機微を、歌詞の内容ではなく歌声・歌い方で表現させれば、右に出るものは無いだろう。

 タイトル曲や名曲ハート・イン・ニューヨーク」をはじめとして、ため息の出るような美しい曲が並ぶ。 

 

 

 

ビリー・ジョエル『ピアノ・マン』

ピアノ・マン

 秋といえば、このヒトは外せない。

 このヒトのアルバムはどれも秋に聴くとハマる名作ばかりなのだが、やはり本作にトドメをさすだろう。

 有名なタイトル曲もスバラシイ名曲だが、ワタシのイチオシは「僕の故郷」「さすらいのビリー・ザ・キッド

 たまにこの2曲を聴かないと、ワタシの魂は酸欠になる。

 

 あと忘れてならないのは「素顔のままで」

ストレンジャーに収録。

ストレンジャー(期間生産限定盤)

ストレンジャー(期間生産限定盤)

 

 

 

 

 

スティーリー・ダン『エイジャ』『ガウチョ』

彩(エイジャ)GAUCHO 

 ドナルド・フェイゲンが在籍していたスティーリー・ダン

 とにかくワタシごときが語る必要がないほど、このヒトたちの音楽はスゴイのである。

 なんたって何十年も聴き続けているのに、未だに「飽き」がこないのである。秋なのに(笑.スマン)。

 感情に訴えることなくCOOLに突き詰められた音楽としては稀有のことである。

 JAZZの名盤でさえ、聴き続けると飽きるというのに。

 COOLな音楽性、COOLなドナルド・フェイゲンの歌声。

 それでも(感情に訴えることがないのに)感動はする。とくにガウチョ』のラスト「サード・ワールド・マン」

 聴くならやはり秋だろう。飽きないのに(シツコイ.笑)。

 

 

 

マイケル・マクドナルド『思慕』

思慕(ワン・ウェイ・ハート)

 そのスティーリー・ダンにも一時期所属していた、元ドゥービー・ブラザーズマイケル・マクドナルドのソロ第一作。

 佳曲ぞろいだが、とりたてての名曲というのもない(笑)。

 しかしこのヒトは、じつは抜群のリズム感を持っていて、落ち着いた曲調・温かい歌声とともに、気持ちよく聴かせてくれる。

 

 

 

 クリスティン・マクヴィークリスティン・マクヴィー

Christine McVie

 このヒトの声が死ぬほど好きである。

 実は顔も大好きである(笑)。

 フリートウッド・マック『ミラージュ』のジャケ写など最高であった(笑)。

  向かって左が彼女。右は当時アラサー(笑)のスティーヴィー・ニックス嬢。クリスティンはアラフォー(笑)。

   ワタシが熟女好きでもあることを自覚した高2の頃(笑)。

 それはともかく(笑.何回目?)、この人はソロでも、マックでのメインVocalはったときもサイコーなのだが、マックでのバックコーラスなんかもサイコーなんである。サイコーにCOOL。サイコーの癒し。

 あぁ、このヒトにかかるとさすがのワタシもオバカな文章しか書けなくなる(笑)。

 84年にこのソロアルバムが出たときは、迷わず速攻で買った。

 さすがのPopセンスで彩られた匠(たくみ)のロック・アルバム、といった風情。

 シングルカットは「恋のハート・ビート」

 まさにワタシが貴女(=クリスティン)に感じていたことデス(笑)。

 

 

 

プリファブ・スプラウトアンドロメダ・ハイツ』

アンドロメダ・ハイツ

 内容はこのジャケットそのままの美しさ。

 冷え冷えとした季節のなかで、つかの間感じる”あたたかみ”。それが表現されている。

 

 

 

マシュー・スイート『ガールフレンド』

Girlfriend (Spec) (Spkg)

 思いがけずハードでソリッドなサウンドに乗った、滴る(したたる)ような美曲群。

 どんより曇った晩秋の空から差すヒトスジの光のごときアルバム。

 わかりにくいか(笑)。

 

 

 

バーブラ・ストライサンド『メモリーズ』

Memories

 青い瞳に栗色の巻き毛という典型的なユダヤ美人in NEW YORKの彼女。

 歌い手(Vocalist)としてはイチバン好きなヒトである。

 声量、声域、表現力。どれをとっても圧倒的一位。

 新曲も加えたベスト盤的なこのアルバム。

 「ラヴ・インサイドで聴かせる、天使のように澄み切った歌声。

 さらに「追憶」「メモリー」「愛のラストシーン」「エヴァーグリーン」といった歴史的超名曲に加え、ビリー・ジョエル「ニューヨークの想い」のカヴァーとくれば、これ以上何を望めようか。

 最後になったが、これこそが今回のワタシのイチオシである。

 

 

 

追伸(笑)。

 紹介しきれなかったアーティストの秋の名曲を最後に列挙だけしておこう。

グレン・フライ「恋人」「ストレンジ・ウェザー」

10cc「アイム・ノット・イン・ラヴ」

サンタナ「ネシャブールのできごと」「ホールド・オン」

シャーリーン愛はかげろうのように」「愛の終曲」

ポール・マッカートニー「ノー・モア・ロンリー・ナイツ」

そしてビートルズ すべてのアルバムが秋向き(笑)。

秋のオススメGood Old Music 洋楽Rock編

 ラニー&ボニー&フレンズ『オン・ツアー・ウィズ・エリック・クラプトン

オン・ツアー・ウィズ・エリック・クラプトン(紙ジャケット仕様)

 ワタシはスワンプ・ミュージックといいますか、サザン・ロックといいますか、ようするにアメリカ南部のロックが大好きでして、なかでも特にこの夫婦デュオは一番好きかもしんない。 持ってないアルバムもありますが(笑)。

 ワタシだけかも知れんが、サザン・ロックブルース・ロックに聴きたい。夏だと暑苦しいでしょ?(笑)

 

 これは彼らとフレンズエリック・クラプトン含む)が69年に行ったヨーロッパ・ツアーのライヴ盤。

 おそらくROCK史上最高の一つと言っていい演奏・パフォーマンスが、ここに詰まっている。

 バックの演奏が最高のグルーヴを生み出し、それに乗るボニーのVocalはジャニス・ジョプリンをも軽く凌駕している。

 リズム・セクションが特に素晴らしい。

 クラプトンが引き抜きたくなるのもわかる。

 『オリジナル・デラニー&ボニー』『デラニーよりボニーへ』も素晴らしい。素晴らしいの連発(笑)。

 

オリジナル・デラニー&ボニー

オリジナル・デラニー&ボニー

 
デラニーよりボニーへ

デラニーよりボニーへ

 

  それにしても、以前洋楽のベストアルバム20を選出したときに、何故彼らのアルバムが一枚も入らなかったのだろう。

 答えは簡単。忘れていたから(笑)。

 3~4年ぐらい聴いてなかったからね(笑)。スミマセン。

 久しぶりに聴いたらやっぱりよかったデス(笑)。

 

 

 

ボビー・チャールズ『君がここにいてくれたなら』

 やっぱり南部のゴッタ煮的音楽はいい。

 踊れないワタシ(笑)でもカラダが自然に動き出すし、音痴で英語がまったくダメなワタシ(笑)でも自然と口ずさみたくなる。

 まぁ、口ずさみたくなるのはボビーの”鼻歌Vocal”(笑)によるトコロも大きいのだろうが。

 『ボビー・チャールズ』もオススメ。まあこのヒトのアルバムはどれもスバラシイのですが。

 

君がここにいてくれたなら

君がここにいてくれたなら

 

 

ボビー・チャールズ

ボビー・チャールズ

 

 

 

 

デレク&ドミノス『いとしのレイラ』

Layla And Other Assorted Love Songs

 エリック・クラプトンが、先ほど紹介したラニー&ボニー&フレンズフレンズのメンバーを引っこ抜いて(笑)結成したバンド。

 楽曲の良さ、演奏力の確かさは言うまでもない。だってフレンズのメンバーを引っこ抜いたんだから(しつこい.笑)。

 さらにデュアン・オールマンも参加してたんだから歴史的名盤になるのも当然。

 エリックはそのデュアン・オールマンまで引っこ抜いて正式加入させようとして断られ(笑)、それが原因でバンド内がギクシャクして解散したらしい。

 その後、元フレンズのメンバーはラニー&ボニーとよりを戻すこともなく、可哀そうなことに(笑)。

 引っこ抜かれた方のラニー&ボニーはほどなく解散&離婚し、断ったデュアン・オールマンは交通事故死。

 ヤツに関わった者は、みな不幸になる気がする(笑)。

 気を付けて(笑)。

 

 

 

レナード・スキナード『セカンド・ヘルピング』

セカンド・ヘルピング(紙ジャケット仕様)

 表記としては”レーナード・スキナード”が正しいらしいのだが、なんだか間抜けっぽい(笑)ので、ワタシは”レナード・スキナード”と勝手に(笑)呼んでいる。

 1stレーナード・スキナードも最高なのだが、個人的にはこの2ndアルバムがいい。

 なんたって「スウィート・ホーム・アラバマというキラー・チューンをはじめとして、「何も聞かないで(Don't Ask Me No Questions)」、その名も「スワンプ・ミュージック」、そして「コール・ミー・ザ・ブリーズ」といったゴキゲンなナンバーが目白押しなんである。

 それにしてもサザン・ロックの人たちって、どうしてこんなにバンド・アンサンブルが抜群なんだろうね。ホントに楽しい。

 

レーナード・スキナード(紙ジャケット仕様)

レーナード・スキナード(紙ジャケット仕様)

 

 

 

 

 

オールマン・ブラザーズ・バンドフィルモア・イースト・ライヴ』

フィルモア・イースト・ライヴ

 Rockのライヴ盤は星の数あれど、やはりこれが最高峰ということになるのだろうか。

 バンド・アンサンブルの完璧さ。

 そして何といってもデュアン・オールマンのギター・プレイ。

 とくに「エリザベス・リードの追憶」における息の合ったプレイは圧巻と言うべきで、間違いなくロック史上最高のパフォーマンスのひとつ。

 他にもっと技術的にスゴイことがあるらしいのだが、音楽の成績が常に「2」だったワタシが言えるのはこれくらい(笑)。あとはピーター・バラカンにでも聞いてくれ(笑)。

 とにかく聴いてると熱中症になりそうなくらい熱い演奏の連続なので、やはり秋に聴くべきだね(笑)。

 

 

 

.38スペシャスペシャル・フォーシズ』

スペシャル・フォーシズ(紙ジャケット仕様)

 これもサザン・ロックのバンドなんだが、その割に82年発表のこの作品はやけに”甘い(sweet)”と批判されてたような、されてなかったような(笑)。

 でも楽曲はいいし、演奏も確かだし、まぁ個人的にはリアルタイムだったというのもあって(笑)好きデスね。

 とくにシングルカットされて大ヒットした「思い焦がれて」なんか、秋に聴くとホントいいけどね。

 

 

 

REOスピードワゴン『グッド・トラブル』

Good Trouble

 南部から転じてこれはアメリカの典型的なポップ・ロック・バンド。

 前作『禁じられた夜』のメガヒットのあとだったせいか、評論家どもにはやたら批判されてたような記憶がある。

 しかし評論家の言葉ほどアテにならないものは無いもので、全編捨て曲ナシの素晴らしい仕上がり。

 これぞREOスピードワゴンという底力を見せつけた。

 彼らのストロング・ポイントは、なんといってもその独特のPopセンスと、vocal&演奏の「歯切れの良さ」にあるが、このアルバムは特にスコーンと突き抜けた爽快さに溢れており、まさに秋にピッタリ。

 

 

 

トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ             『イントゥ・ザ・グレイト・ワイド・オープン』

イントゥ・ザ・グレイト・ワイド・オープン(紙ジャケット仕様)

 ワタシがブリティッシュよりもアメリカン・ロックが好きなのは、しっかりと地に足がついている感じがハンパないから。

 彼らの足元には常に(良くも悪くも)踏みしめるべきアメリカの大地がある。

 元Pどこかの原住民の人を世界中連れ回してイイコトしてると勘違いしてみたり、実に中途ハンパにジャズなんかに手ェ出してイキがってたヒトね)のようなエセインテリには到底分からないことでしょうな。

 特にトム・ペティにはアメリカン・ロックの良心みたいなものを感じるというか、じつにケレン味無くストレートに(ストレートな、ではなく)ロックに向き合っている感じが大好きだった。

 もう死んじゃったんだね…。

 このアルバムは彼にすると変化球というか、ブリティッシュの雄(でもないか.笑)ELOジェフ・リンをプロデュースに迎え、昔からのトム・ペティのファンからの批判も多い作品。

 でも内容は素晴らしく、ジャケットのイメージ通りの世界をうまく表現していると思う。もちろん美しい世界だけを歌っているわけではないのだが。

 なんといっても、トム・ペティ独特の「粘っこいvocal」が最大限活かされているのがウレシイ。

 ついマネして口ずさみたくなるんだよな、これ。

 

 

 

ザ・ローリング・ストーンズ『ブラック・アンド・ブルー』

ブラック・アンド・ブルー

 ファンクやレゲエの要素を取り入れた、ちょっと玄人好みの快作。

 なんといっても「メモリー・モーテル」という超絶的に美しいバラード歌詞の内容まで美しいかどうかは知らないよ。笑秋の夜にピッタリなんです、これが。

 他の曲も、慣れれば名曲ぞろいだとわかるハズ(笑)なので、是非聴いてみてチョ。

 

 

 

ボブ・ディラン『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』『追憶のハイウェイ61』

追憶のハイウェイ61(紙ジャケット仕様)ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム(紙ジャケット仕様)

 ジャケ写の順番が逆になってしまってスミマセン(笑)。

 それはともかく。

 ディラン『ブリンギング・イット・~』で初めてフォークロックというジャンルを作り出し、 『追憶のハイウェイ61』ではさらにロック色を強める。

 後者では何といっても、屈指のブルースギタリストマイク・ブルームフィールドの参加が大きい。

 「トゥームストーン・ブルース」における名演は聴かないとソン、だと思うよ。

 

 

 

ジョン・クーガーアメリカン・フール』

アメリカン・フール+1

 何度も言うが、ジョン・メレンキャンプでもなく、ジョン・クーガー・メレンキャンプでもなく、ジョン・クーガーである。 ワタシにとっては。

 アメリカの厳しい現実や、小さな町の出来事を、彼は淡々と歌う。

 あのしゃがれたような声で。

 彼の書く曲(メロディ)がいいモンだから、普通に楽しんで聴けるのだが、それだけではとどまらないナニカが、聴いた後にホンノ少しだけ残るのがいい。

 ワタシにとって彼の音楽は、秋の夜長に熱く苦いコーヒーか、バーボン片手に聴きたい音楽なのである。

 

 

 

ブルース・スプリングスティーン『闇に吠える街』

闇に吠える街(紙ジャケット仕様)【2012年1月23日・再プレス盤】

 アメリカの厳しい現実を歌うことに関しては、やはりこのヒトか。

 前作『Born To Run』のぶ厚いサウンドから転じて、このアルバムではじつにソリッドでタイトなロックンロールを聴かせる。

 このアルバムを季節限定にしてしまうのはもったいないが、やはり聴くなら空気が少しヒンヤリしてくる秋がいい。

 

 

 

ブルース・スプリングスティーンネブラスカ

ネブラスカ(REMASTER)

 最後にもう一つ、スプリングスティーンの名作を。 

 少しの例外を除いてアコースティック・ギターハーモニカだけで聴かせるその内容は、じつは彼の作品の中でも最もシリアスなもの。

 世界から取り残されたようなアメリカ中西部のさびれたような町々を舞台に、彼はその厳しい現実に静かに視線を向ける。

 秋の夜長に月でも眺めながら、様々なことに想いを馳せつつ聴きたい作品である。

 

 次回は、胸キュン(死語.笑)の名曲ぞろい「秋のオススメGood Old Music 洋楽Pops編」をヤリマス。

 

珠玉の70's-80's Japanese Pops & Rock(12) 秋のオススメGood Old Music 「Hard編」(笑)

 Hard編といってもHard Rockじゃないよ(笑)。

 

浅川マキ『灯ともし頃』

灯ともし頃(紙ジャケット仕様)

 秋と云えばブルース。

 「ブルースの女王」といえば淡谷のり子、じゃなくて(笑)、それこそが、わが石川県が誇る浅川マキ大姉御

 

 意外に思われるかもしれないが、浅川マキというアーティスト(ワタシがこの言葉を使うのもあまり無いことナンだが)は「音」の質に、非常にこだわった人だった。

 特に70年代のブルースアルバムサウンドプロデュースは、ほぼジャズ並みのクォリティ。

 アナタも聴けば、そのレベルの高さに驚愕すること間違いないのでありマス。

 

 浅川マキの音楽といえば、「陰鬱」「暗い」などのイメージを持たれているようだが、それは恐らくデビューアルバム『浅川マキの世界』のイメージで語られることが多いからなのだと、ワタシはヒソカにニラんでいる。

 もちろん、これはこれで彼女の代表作の一つとされるくらいにスゴイ作品なのだが。

 

 しかしそのようなイメージも、その後放たれたブルースアルバムの数々を聴けば、たちまち吹き飛んでしまうのではないか。

 

 彼女がもう一つこだわったのが”日本語で唄う”ということ。

 つまり英米のブルースナンバーさえも、彼女独特の解釈で日本語で唄ってしまうのだ。

 その独特の歌詞を”聴く”ことも「浅川マキ」の醍醐味の一つ。

 

 まさにアーティスト(芸術家)の名に真にふさわしい浅川マキのアルバム(特に70年代)は、どれをとってもハイレベルの音楽を堪能できるが、今回はこの『灯ともし頃』を紹介することにした。

 ジャケット写真でさえもアート。

 若き日の坂本龍一や、80年代に世界を席巻したトランぺッター近藤等則(当時は俊則)が参加している。

 

 他に『ブルー・スピリット・ブルース』『MAKI Ⅵ』『裏窓』などもオススメしたい。

 

ブルー・スピリット・ブルース(紙ジャケット仕様)

ブルー・スピリット・ブルース(紙ジャケット仕様)

 

 

MAKI VI(紙ジャケット仕様)

MAKI VI(紙ジャケット仕様)

 
裏窓(紙ジャケット仕様)

裏窓(紙ジャケット仕様)

 

 

 

 

 

 

山下久美子『BLONDE』

BLONDE

 夜の訪れが早くなり、ハッキリと肌が冷気に包まれる頃、このアルバムを聴きたくなる。

 それも出来れば湯気につつまれた自宅の風呂場で聴きたいものである。試したことは無いが(笑)。

 彼女の数ある作品群のなかでも、このアルバムはとくに「心が温かくなる」気がするんだよな。

 

 

 

RCサクセションシングル・マン

シングル・マン+4

 秋になるとRCを聴きたくなるのはナゼカ。

 それは清志郎の声がトンデモナク哀しいからだ。

 もちろんこのヒトは元気な歌も歌う。

 人をコバカにした歌や攻撃する歌も歌う。

 ヒジョーシキなほど純粋なラブソングも歌う。

 そしてこのヒトの歌は強い。

 でも、このヒトの声は哀しいノダ。

 とくにこのアルバムはそう聴こえる。

 こんなの秋じゃないと聴いてラレナイ。

 

 

 

吉田美奈子『MONOCHROME』

MONOCHROME

 「ファンクの女王吉田美奈子のアルバムの中では、本作の評価はそれほど高くないように思われるのだが、なぜだろう?

 ワタシの中では、1,2を争うほどのアルバムなんだが。  

 というより、楽曲の良さ、そしてシンプルでありながらハイレベルかつ美しい音作りという点では断トツの仕上がりだと、個人的には思っている。 

 ワタシはこれを秋によく聴く。

 彼女の数あるアルバムのなかでも、バツグンの透明感があるからだろうか。 

 

 

 

遠藤賢司『満足できるかな』

満足できるかな デラックス・エディション

 これは紹介したいような、したくないような(笑)。

 「カレーライス」なんか大好きで、聴くたびに涙してしまいそうになるのだが。

 アルバム通して聴いてると、なんだか気持ちがどんどん沈んでく方向に行っちまいそうで。

 本作が”暗い”ということではなく、何か”出口の見えない人生の哀しさ”みたいなモノが、このアルバム全体の背後に潜んでいるような…。

 でもとてもいいアルバム、だと思うよ。

 

 

 

はちみつぱい『センチメンタル通り』

センチメンタル通り

 じつは浅川マキと並んで今回のイチオシ。 

 これ一枚を残して解散してしまったはちみつぱいだが、これが世紀の大傑作

 今回はひとりシンミリ聴く作品(笑)が多くなってしまったが、これなど究極のシンミリ。秋ですなぁ(笑)。

 先ほど清志郎の声が哀しいと書いたが、鈴木慶一の声も時々イタイタしいほど哀しく聴こえるときがある。

 ともかく、ダマサレタと思って一度聴いてみてほしい。

 

 

 

大瀧詠一大瀧詠一

大瀧詠一

 忘れるトコロだった。

 はちみつぱいで”イチオシ”だの”世紀の大傑作”だの”ひとりシンミリ”だのと書いてたら、これを思い出した(笑)。

 そうナンデス。

 これもイチオシの「世紀の大傑作」で、ひとりシンミリ聴くアルバム(笑)。

 これでイチオシが三枚(笑)。

 ただこのヒトの場合、客観的にモノゴトを見ててそれがある種の”滑稽さ”を(ワザと)醸し出してるようなところがあって、一筋縄で行かなさそうなトコロが面白かったりするわけデスナ。

 80年代に入ってからの大瀧ミュージックもリゾート感だけではない奥深さを持ってたけど、72年発表のこのソロデビューアルバム(と75年の『ナイアガラ・ムーン』も)を聴けば、さらに大瀧ミュージックの奥深さが実感できるはず。

 

 次回は「秋のオススメGood Old Music 洋楽編」。

 

 

珠玉の70's-80's Japanese Pops & Rock(11) 秋のオススメGood Old Music

 夜になると秋の虫が鳴き始めて、もう何日たつでしょうか。

 そろそろ秋の音楽が聴きたくなってきますな。

 ちゅうわけで(笑)、今回は「秋のオススメGood Old Music」邦楽版を紹介イタシヤス。

 

 

ムーンライダーズ『青空百景』青空百景

 まさに秋晴れの青空の如く、スコーンと突き抜けた”カラッポさ”が魅力の快作。

 アキアカネが舞う爽やかな青空の下、稲わらを燃した香ばしい匂いを嗅ぎつつ、「トンピクレンッ子」を口ずさみながら田んぼ脇の道を自転車で走るのはサイコーでした。

 高校二年の通学の想ひ出。

 何も考えず口ずさめる曲満載ですわ。

 

 

 

松任谷由実『昨晩お会いしましょう』

昨晩お会いしましょう

 先日紹介した『時のないホテル』がワタシのなかではイチバンなんだが、それでは少々重すぎる(笑)という方にはコチラ。

 空気が少しヒンヤリしてくる頃合いに、シックな街並みの中を浮遊するかのように漂う主人公たち。 

 特に前半5曲(昔のA面ですな)の完成度・クォリティの高さは素晴らしく、ハイセンスなオシャレ感(他にもっといい言葉なかったか?笑)は今聴いても全く色褪せていない、と思う。

 シングル曲にもなった「守ってあげたい」「夕闇をひとり」は永遠の名曲。

 

 

 

大貫妙子『ロマンティーク』

ROMANTIQUE

 大貫妙子「ヨーロッパ三部作」の一枚目。

 日本のPops史上に残る大傑作。

 次作のアヴァンチュールが明るく乾燥したヨーロッパなら、本作は晩秋の夕暮れ時のヨーロッパ。

 ”街灯がポツポツと灯り枯葉が舞う石畳の小径”が目に浮かびますな。

 ハイクォリティの名曲がズラリと並ぶが、それを引き立たせる坂本龍一教授の凄まじいアレンジにも注目いただきたい。

 

AVENTURE

AVENTURE

 

 

 

 

南佳孝Seventh Avenue South』SEVENTH AVENUE SOUTH

 もう何度も紹介しているこのアルバム。だって名作なんだモン(笑)。

 秋の夜長にはこのSeventh Avenue South』ウィリー・ネルソンドナルド・フェイゲン、そして一杯のスコッチ(もちろんダブルで)があれば、それでいい。

 

 

 

Mio Fou(ミオフー) Mio Fou

MIO FOU~25th Anniversary Edition~(紙ジャケット仕様)

 ムーンライダーズのBass鈴木博文(リーダー鈴木慶一実弟)が美尾洋乃(みおひろの)と組んだユニットMio Fouのファーストアルバム。

 このジャケット写真が、その内容をすべて物語っている。

 秋の黄昏時にふと見上げた空の「無限の空虚さ」といったらない。

 ”虚空”とはよく言ったものだ。

 「孤独感」溢れる音楽(笑)。

 

 

 

鈴木さえ子『スタジオ・ロマンティスト』

スタジオ・ロマンチスト

 一時期、鈴木慶一の奥さんだった鈴木さえ子の最高傑作。

 唯一無二と言っていい彼女のファンタジックなPopセンスが最大限に引き出されている。

 幻想的な曲あり、はじけるようなPopsあり。

 まさに”スタジオ・ロマンティスト”。

 別に秋向けのアルバムというわけでもないのだが、秋に聴きたくなるのも事実。

 彼女独特の「子供のような透明感」がそうさせるのか。

 

 

 

加藤和彦『マルタの鷹』

マルタの鷹

 JAZZを全面に押し出した、加藤和彦のなかでも”異色”と言えるかもしれない一枚。

 全編に漂う、陰影に満ちた雰囲気が醸し出す「古き良き時代」に誘われ、酔わされる。

 

 

 

竹内まりや『Quiet Life』

Quiet Life

 「告白」「シングル・アゲイン」といった、一歩間違えれば不倫にまで発展しそうな”過去の愛”を前にしてもグッと踏みとどまり、やはりこの人の”歌”のキホンは「マイ・スイート・ホーム」 を大事にする「Quiet Life」なんだろうな。

 温かいスイート・ホームが恋しくなる秋。

 

 

 

姫神せんせいしょん姫神

姫神

 今も活動するソロ・シンセサイザー・ユニット「姫神」は、当初は4人でのバンド形式で「姫神せんせいしょん」と名乗っていた。

 これはその姫神せんせいしょんによる三作目でタイトルが姫神というややこしさ(笑)。

 しかし内容は素晴らしいの一言。

 まずこの世のものとは思えない美しさの一曲目「舞鳥」に息を呑み、涙を流す。そのあとも「古き良き東北」を思わせる佳曲名曲が続く。

 のちの姫神となってから、”縄文”をテーマにした名曲を数多く世に出したが、実はこのアルバムほど”縄文”を感じさせる作品は他にはない。

 東北が今も深いところで”縄文”とつながっていることを感じさせてくれる作品である。

 

 

 

矢野顕子『WELCOME BACK』

WELCOME BACK

 やたらハイスピードの一曲目(これはこれで驚愕の名曲名演なのだが)を除けば、あとはのんびりまったりのアッコちゃんワールド。

 実りの秋、不安な秋(夏が過ぎ去ったあとの秋って我に返るせいか、色々と不安のタネが顕在化してくるモノです)、癒されたい秋。

 どれもりっぱな日本の秋デス。

 

 

 

松田聖子風立ちぬ』『North Wind』

風立ちぬ

North Wind

 スミマセン。

 またしても松田聖子をぶっ込ませていただきヤス。

 しかも2枚(笑)。

 夏の聖子もいいが、初期の松田聖子は”秋”の表現がバツグンにうまかったと思う。

 やっぱり日本の歌手は「季節感」をいかに表現できるかだと、ワタシは思うわけなのデス。

 ワクワクする秋。

 温かい(気持ちになる)秋。

 透明な秋。

 寂しい秋。

 恋の秋。

 街の秋。

 リゾートの秋。

 松田聖子の表現力はとどまるトコロを知らないのでアリマス。

 

 

次回は「秋のオススメGood Old Music」続編、『Hard編』(笑)をお送りいたしマス。

 

 

珠玉の70's-80's Japanese Pops & Rock(10) 松任谷由実『時のないホテル』…そして金沢

 暑かった夏もようやく終わりに近づいた感がある今日この頃。

 まだまだ異常な湿気の高さなどもあったりするけど、ときおり吹く風や晴れたときの空気の輝きなどに、夏の終わりと秋の入り口を感じますな。

 

 お久しぶりのこのシリーズ。

 今回はちょっと気が早いのだけど、秋から冬にかけて(ホントに気が早い…笑)聴きたくなるアルバムをひとつご紹介。

 

 ユーミン『時のないホテル』。1980年の作品。

時のないホテル

 唄われているのは、ジャケット写真で見る通り、「晩秋か初冬あたりの街の夕暮れ時から夜」といった世界観、かな?(笑)

 舞台はなんとなくヨーロッパ(笑)。

 そして以前にも書いたかもしれないけど、シトシトと冷たい雨が全編において降っているような感じがイイ。

 個人的にはこれこそユーミン最高傑作だと思っとりマス。

 

 こんなこと想うのはワタシだけかもしれないが、ユーミンの歌(曲)っていつも、何処か遠い世界から鳴り響いているように聴こえる。

 そこに何か捉えどころのない(←ココが大事な気がする)メッセージ性のようなモノを感じたりするわけですが。

 

 この作品は特にソレが強いように思う。

 それも何処か遠い世界などというより、「アノ世」とのから聴こえてくるような(笑)。

 ユーミンの声質によるものなのでしょうか。

 彼女は「あの世」と「この世」の間を橋渡しする、現代の巫かんなぎ)、巫女のような存在なのではなかろうか、などと個人的に妄想したりしてオリマス。

 

 そこでマコトに唐突ですが、金沢在住のワタシとしては、本作のそのような世界(観)が金沢の”雰囲気”にピッタリだなぁ、などと思っているわけです。 え? ワケがワカラナイって?

 じつは金沢って「闇の都市」なんです。

 ますますワケワカンナイね(笑)。

 

 「」というのは全く悪い意味ではなく、あくまで象徴であって、その実、「女性原理」の象徴。女性のミナサン、決して悪い意味ではありませんので(笑)。

 

 文化人類学(でいいのかな?)では、いわゆる原始の時代から続く人類の(直感的な感性にもとづいた)根本的なモノの考え方として「男性原理」「女性原理」という二つの原理がありマス。

 森羅万象のすべてはこのどちらかに属すると、古来ヒトビトは(直感的に)考えたわけデス。

 

 男性原理に属するモノゴトとしては、「太陽、天、父、意識、日常的、現実的、即物的、生、現世(この世)、乾き、直線、分離(切断)、能動、刀剣(先の尖ったモノ)、明快、論理的、王宮、政治」など。

 

 

 女性原理「月、大地、母、無意識、非日常的、幻想的観念的、死、あの世水(湿り気)曲線、包含(包み込む)、受動、丸いモノ、あいまい、感情的、市場芸術・芸能・宗教・商業など。

 

 そして男性原理をもっとも端的に象徴するのが「」、対して女性原理をもっとも端的に象徴するのが「」、というわけです。

 

 そして詳しい説明は省きますが*1金沢という都市はおそらく日本で最も「闇」の濃い街なのです。

 観光で金沢に来られたことのある方、上に挙げた「女性原理」の特徴、とくに紫色にしたトコロなど、何となく金沢っぽいナと思いませんか?

 紫以外の特徴も、この地に長く関わっているヒトには、思い当たるフシがあるのではないでしょうか?

 

 金沢と言えば「前田家」「加賀百万石」と誰もが思われるでしょうが、その実、それよりずっと古い古代からこの地は「闇」の濃い地域だったと考えられるのです。あくまで私見ですが。

 

 また、金沢といえば「金(黄金)*2金箔」ですが、黄金や宝モノというのも、実は「闇」の世界からやってくるモノなのデス。(いにしえのヒトビトはそう考えたわけですネ)

 「黄金」は「」でこそ妖しい輝きを放つものデス。

 

 金沢という都市が観光都市としての魅力を放っているのは、もちろん百万石の城下町ということもありますが、それ以上に「闇の都市」であることが大きいのですネ。

日本, 金沢, 兼六園 前田家の百万石城下町も、その「闇」の上に立っているからこそ、他の城下町にはない魅力(妖しいというか艶やかというか)を持っているわけです。

 じつは前田利家も(そして秀吉も)この金沢という土地の「秘密」に気付いていたんじゃなかろうかと、個人的にはニラんでおります。

 

 

 ユーミン『時のないホテル』の紹介から何だかトンデモナイ話に発展してしまいましたが(笑)、

 

時のないホテル

時のないホテル

 
時のないホテル

時のないホテル

 

 このような「闇の都市」である金沢の雰囲気にピッタリなアルバムだと個人的には思ってオリマス。

 松任谷由実さん、どうかお気を悪くなさらないでください(笑)。

 そして出来ればこのアルバムを金沢のテーマソング、じゃない、テーマアルバムに認定してください(笑)。

 

 

 

*1:詳細を知りたい方は拙著『影の王』 泉雄彦名義)をゼヒご参照を!(笑)以上宣伝デシタ

*2:金沢」の地名も「金の採れる沢」から来ています。地元では有名な「芋掘り藤五郎伝説」ですネ。

縄文好きは読むべし 高室弓生『縄文物語』『ニタイとキナナ』

縄文物語 (パーティコミックス)

 ワタシkagenogoriは別に『古代史は小説より奇なり』という古代史ブログもやってまして、また泉雄彦ペンネームで『影の王』という古代史の謎に新たな視点から迫った本も出版させていただいてオリマス。*1

 

影の王: 縄文文明に遡る白山信仰と古代豪族秦氏・道氏の謎 (MyISBN - デザインエッグ社)

影の王: 縄文文明に遡る白山信仰と古代豪族秦氏・道氏の謎 (MyISBN - デザインエッグ社)

 

  この二つには縄文時代というのが、かなりのキーというか、重要な位置を占めてます。

 ワタクシ、子供のころからかなりの縄文好き(何故か弥生時代はキライでした)だったのですが、大人になってからそれを再確認させてくれたのが、高室弓生さんの『縄文物語』だったのデス。

 

  当時の縄文に対する一般的なイメージは、上半身ハダカで、狩猟と採集で毎日の食料を確保するのも大変な「原始人にケが生えた程度」のもの(未だにそう思ってるヒトは多いですが)デシタ。

 縄文にアコガレみたいなものを感じていた自分は、ソンナコトナイと密かに思っていたものデス。

  

 当時愛読していた講談社マンガ雑誌「モーニング パーティ増刊」

最初にこれを読んだときは、ウレシイ驚きに満ちてました。

 このマンガを一言で表現するとすれば、”縄文の至福”

 

縄文物語 (パーティコミックス)

縄文物語 (パーティコミックス)

 

 ここに描かれているのは縄文中期(作者によれば四五〇〇年前)の東北地方、今の遠野のあたりにあったムラの四季折々の生活。

 驚いたのは、自分が「こうだったらいいなあ」と思い描いていた”縄文”がそこにあっただけではなく、 季節ごとの日々の暮らしや信仰衣装食料加工物住居身に着ける小物類にいたるまで、驚くべき緻密さで具体的に描かれていたから。

 しかも登場人物一人一人のキャラが立っていて、実に生き生きと描かれている。

 『縄文物語』は彼らの精神文化と物質文化がいかにバランスよく、豊かでゆとりのあるものだったかをホウフツとさせてくれる。

 

 これは言うまでも無く、作者・高室さんの正確で高度な縄文知識と高い画力によるものですが、当時明らかになっていなかった部分も、民俗学知識やイマジネーションで描いていたようです。

  それさえも研究が進んだイマの目で見ても、結構マトを得ているのが嬉しくもスバラシイ。彼女の前世は縄文ビトだったに違いない(笑)。

  

 この作品は後に青林工藝舎から『縄文物語 わのきなとあぐね』わのきなあぐねは主人公二人の少女の名)として復刊されました。

 

 

縄文物語 わのきなとあぐね

縄文物語 わのきなとあぐね

 

  当時未発表だった作品やコミック未収録だった作品、書き下ろし作品なども追加されているようで、ワタシも今回早速注文しました(笑)。

 

 そして同じく青林工藝舎から、 『縄文物語』の続編ともいえる『ニタイとキナナ』も出ています。

 『縄文物語』から150年後の同じムラのある若い夫婦の物語。

 前作からかなり縄文の研究が進んだこともあって、その生活ぶりの描写がさらにグレードアップ! もちろん民俗学等で補強されたイマジネーションの産物と思える部分もあったりしますが。

 特に住居が快適そうなのと食べ物が実にウマそうに描かれていて、さらに縄文ビトがうらやましくなったりシマス。

 巻末の高室さんによる24篇にわたる豊富な「縄文うんちく講座」も必読モノ。

 

ニタイとキナナ

ニタイとキナナ

 

  

 いま改めてこの2作を読んで思うのは、イマジネーションの大切さ

 特に縄文に対してはそう思う。

 そのイマジネーションの欠如こそが、これまで縄文時代を”原始”扱いしてきた元凶なのだから。

 

 とにかく縄文に興味がある方は、学術本も大切ですが、それよりもまずこの2作を読んでみて欲しい。

 「豊かな縄文」と「生き生きした縄文ビト」たちに出会えるはずだから。

 

 

 

*1:『影の王』Amazonさんから出ていまして、書店には並んでおりませんのでご注意ください