暑かった夏もようやく終わりに近づいた感がある今日この頃。
まだまだ異常な湿気の高さなどもあったりするけど、ときおり吹く風や晴れたときの空気の輝きなどに、夏の終わりと秋の入り口を感じますな。
お久しぶりのこのシリーズ。
今回はちょっと気が早いのだけど、秋から冬にかけて(ホントに気が早い…笑)聴きたくなるアルバムをひとつご紹介。
ユーミンの『時のないホテル』。1980年の作品。
唄われているのは、ジャケット写真で見る通り、「晩秋か初冬あたりの街の夕暮れ時から夜」といった世界観、かな?(笑)
舞台はなんとなくヨーロッパ(笑)。
そして以前にも書いたかもしれないけど、シトシトと冷たい雨が全編において降っているような感じがイイ。
個人的にはこれこそユーミンの最高傑作だと思っとりマス。
こんなこと想うのはワタシだけかもしれないが、ユーミンの歌(曲)っていつも、何処か遠い世界から鳴り響いているように聴こえる。
そこに何か捉えどころのない(←ココが大事な気がする)メッセージ性のようなモノを感じたりするわけですが。
この作品は特にソレが強いように思う。
それも何処か遠い世界などというより、「アノ世」との境から聴こえてくるような(笑)。
ユーミンの声質によるものなのでしょうか。
彼女は「あの世」と「この世」の間を橋渡しする、現代の巫(かんなぎ)、巫女のような存在なのではなかろうか、などと個人的に妄想したりしてオリマス。
そこでマコトに唐突ですが、金沢在住のワタシとしては、本作のそのような世界(観)が金沢の”雰囲気”にピッタリだなぁ、などと思っているわけです。 え? ワケがワカラナイって?
じつは金沢って「闇の都市」なんです。
ますますワケワカンナイね(笑)。
「闇」というのは全く悪い意味ではなく、あくまで象徴であって、その実、「女性原理」の象徴。女性のミナサン、決して悪い意味ではありませんので(笑)。
文化人類学(でいいのかな?)では、いわゆる原始の時代から続く人類の(直感的な感性にもとづいた)根本的なモノの考え方として「男性原理」「女性原理」という二つの原理がありマス。
森羅万象のすべてはこのどちらかに属すると、古来ヒトビトは(直感的に)考えたわけデス。
男性原理に属するモノゴトとしては、「太陽、天、父、意識、日常的、現実的、即物的、生、現世(この世)、乾き、直線、分離(切断)、能動、刀剣(先の尖ったモノ)、明快、論理的、王宮、政治」など。
女性原理は「月、大地、母、無意識、非日常的、幻想的、観念的、死、あの世、水(湿り気)、曲線、包含(包み込む)、受動、丸いモノ、あいまい、感情的、市場、芸術・芸能・宗教・商業」など。
そして男性原理をもっとも端的に象徴するのが「光」、対して女性原理をもっとも端的に象徴するのが「闇」、というわけです。
そして詳しい説明は省きますが*1、金沢という都市はおそらく日本で最も「闇」の濃い街なのです。
観光で金沢に来られたことのある方、上に挙げた「女性原理」の特徴、とくに紫色にしたトコロなど、何となく金沢っぽいナと思いませんか?
紫以外の特徴も、この地に長く関わっているヒトには、思い当たるフシがあるのではないでしょうか?
金沢と言えば「前田家」「加賀百万石」と誰もが思われるでしょうが、その実、それよりずっと古い古代からこの地は「闇」の濃い地域だったと考えられるのです。あくまで私見ですが。
また、金沢といえば「金(黄金)」*2「金箔」ですが、黄金や宝モノというのも、実は「闇」の世界からやってくるモノなのデス。(いにしえのヒトビトはそう考えたわけですネ)
金沢という都市が観光都市としての魅力を放っているのは、もちろん百万石の城下町ということもありますが、それ以上に「闇の都市」であることが大きいのですネ。
前田家の百万石城下町も、その「闇」の上に立っているからこそ、他の城下町にはない魅力(妖しいというか艶やかというか)を持っているわけです。
じつは前田利家も(そして秀吉も)この金沢という土地の「秘密」に気付いていたんじゃなかろうかと、個人的にはニラんでおります。
ユーミンの『時のないホテル』の紹介から何だかトンデモナイ話に発展してしまいましたが(笑)、
- アーティスト: 松任谷由実
- 出版社/メーカー: EMI Records Japan
- 発売日: 1999/02/24
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このような「闇の都市」である金沢の雰囲気にピッタリなアルバムだと個人的には思ってオリマス。
松任谷由実さん、どうかお気を悪くなさらないでください(笑)。
そして出来ればこのアルバムを金沢のテーマソング、じゃない、テーマアルバムに認定してください(笑)。