Good Old Music 、Fantastic高校野球

林業家kagenogoriが70's~80'sの珠玉の音楽、そして高校野球、etc.についてのたまうブログ

珠玉の70's~80's Japanese Pops &Rock(19)時空の旅人 杉真理

 

 

 シンドイ…………実にしんどい…。

 

 ワタシは林業をナリワイにしているが、今週はずっと蒸し暑く、苦しかった。

 もちろん、仕事があるだけシアワセと思わないといけない。

 それは分かっている。

 分かっているのだ。

 しかしほんの少し、グチりたいだけなのだ。

 許してほしい。

 

 

 山が街なかよりも涼しい、などと思ってはいけない。

 イヤ、別に思っても全然イイんだけど(笑)、要するにソレはソレホド正しくはないということを言いたいわけで。

 

 ワタシらが仕事場にしているような山の中は、頂上近くや尾根筋・川筋・道路とかならともかく、あまり風が通らないところが多い。

 また山の斜面は意外と日当たり良好だったりする。

 それが谷間だと、向かいの斜面からの照り返し(これがケッコウきつい)があったりして、暑さ倍増である。

 地面からは暑く湿った空気が湧き上がる。

 草いきれなどムッとした匂いを伴いながら。

 

  仕事中は力を込めてたり、重いものを担いでたりと、休憩時間以外はほぼ身体を動かしている。

 肉体労働なのだから当然だ。

 しかもチェンソーを使っている場合、チェンソーというのはどうやら体温を上げるメカニズムを持っているようで、真冬の氷点下でも汗だくになったりするシロモノ。

 それを炎天下でも使うとなると、もう地獄

 

 

 

 うだる暑さに

 滝の汗。

 蚊やブト(ブヨのこと)の大群と闘いつつも、

 ハチとは決して闘うな。

 毛虫に全身をカブレさせ、

 ムカデなどは適当にやり過ごし、

 時にはカエルを危険な場所から救出だ。 

 イノシシが掘り返した穴に足とられ

 転倒した顔の横にはクマの糞。

 それが林業

 われらが林業

 

 

 古関裕而先生にメロディ付けてもらおうっと(⋈◍>◡<◍)。✧♡

 

 

 

 などとくだらんことを考えながら夕方仕事を終える頃には、半分熱中症気味で息はゼーゼー、意識モーロー(大げさではない)、全身ボロボロの濡れゾーキン状態になっている。

 

 先日の木曜日など家に帰ってからも、体の熱が下がらなかった。

 こういうときは冷水に近いシャワーを浴びるしかない。

 

 ただいつもの年だと、当たり前だがこのような状態になるのは気温30度を超す真夏日が続いてからなのだ。

 いまのところ、気温的にはまだ30度未満の”夏日”に過ぎない。

 なのにこのテイタラク

 

 おかしい、早過ぎる。

 歳のせい、なんだろうか。

 たしかに年々、暑さには弱くなってきている実感がある。

 

 最近の寝不足にも原因があるのかもしれん。

 その寝不足の原因の半分はコヤツラにある

f:id:kagenogori:20200606102745j:plain
f:id:kagenogori:20200606102654j:plain

(レースカーテンの下部の汚れはすべて猫毛(笑))

 

 そりゃ、深夜毎に繰り広げられる大運動会(追っかけっこ)で、ワタシの肩だの腹だのを踏み台代わりにされちゃぁ、寝られませんわな。

 

 なんだか体力的にも精神的にもグッタリ、なんである。

 

 

 

 長々とワタシのつまらぬグチを聴いていただいた善男善女の皆様方。

 おかげさまでスッキリ(笑)いたしました。(ここでバカヤローと叫んでください)

 猫たち(=^・^=)と共にあつく御礼申し上げます。m(_ _)m

 

 

(※ちなみに来週から再来週にかけて恐らく休みが取れないので、当ブログと古代史ブログの更新が滞る恐れがあります。

 何とかガンバリたいとは思いますが……もしそうなったときはゴメンナサイ。猫😿と共にお詫びいたしますm(_ _)m

 

 

 

mistone

 

 本題に入らせてもらおう。

 

 前回(”ここではない何処か” へ……  ロキシー・ミュージック『アヴァロン』 )もそうだったのだが、このところ、 「人生における旅」(笑)というのが、自分のなかでの重要なテーマになっている気がする。 

kagenogori.hatenablog.com

 

 どこか遠いトコロへ行きたいのだ。

 いまの自分にはムズカシイとは分かっていても。

 

 

 ここに理想的な”旅”を実現した人がいる。

 杉真理、その人である。

 

 この人の”旅”は、世界中を巡るにとどまらない。

 一瞬にして別の街にテレポートしたかと思えば、

 時間を遡って”過去”に遊び、

 また”未来”へとすっ飛んで行く。

 天の川がきらめく夜の浜辺から、

 いつのまにか大宇宙へ飛翔している。 

 

 めくるめく”彼”の旅を、ちょっとのぞいてみようではないか。

 舞台はアルバム『mistone』84年の作品である。

 

mistone

mistone

  • 発売日: 2019/05/29
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

 一曲目  「Celebration」

 高らかな開幕宣言。

 ここに時空を旅する”舞台”が幕を開ける。

 そう、このアルバムはひとつの”舞台”なのである。

 これからこの舞台の上で、 「時間」と「空間」の不思議さをテーマにしたショート・ストーリーが、次々と紡ぎ出されていくことになる。

 

 

  二曲目  「二人には時間がない」

 歳月を隔てて、再会しようとする二人の男女。

 出会いのチャンスは一瞬。

 しかし時空のもつれなのか、相手が見えているのに”出会う”ことが出来ないふたり。

 アップテンポの曲調が、時間に急かされるスリリングさを演出する。

 時間と空間のすれ違いが哀しい”偶然”を生み出してしまう。

 

 

 三曲目  「Backstage Dreamer」

 と思っていたら、これはただの”夢”だったのか。

 それとも自分の前世かパラレルワールドで、実際に経験していたことなのか。

 ともかく”夢”から覚めるとそこはブロードウェイ。

 二人はミュージカル・スターのような”夢”のような時間を過ごす。

 いや、それさえも”夢”なのかも……。

 

 

 四曲目 「あの娘は君のもの」

 舞台は一転して、60年代。

 ビートルズ好きにはたまらない曲。

 これぞマージ―ビート

 これぞリバプールサウンド

 「She Loves You」からインスパイア、というよりイマジネートされた曲であることには違いない。

 しかし、そこは杉真理

 驚きのクォリティで楽しませてくれる。

 

 

 五曲目 「七番街の雨の朝」

 ”舞台”は再び、ニューヨークへ。

 傷つき、疲れてしまった人たちの集う街で”二人”は再び出会う。

 ここまでいくつもの「人生」を経験してきた二人。

 目が覚めると、そこは七番街の雨の朝。

 傷つき、まだ目覚めることが出来ない”彼女”と、それを優しく思いやる”彼”。

 すべてを洗う雨が”彼女”の心を癒すのかもしれない。

 

 

 六曲目  「スターライト ラプソディー」

 このアルバムのひとつのハイライトとなる曲。

 ここで二人は”時間”と”空間”が紡ぎ出す”偶然”によって導かれ、ひとつのハッピーエンドを迎える。

 

  光よりも速く 恋に落ちた夜

 

 それは二人のこれまでの”経験”(前世?)があったからこそ、なのかもしれない。

 

 

 

 十曲目 「冬の海に」

 ここで一気に舞台は冬の海岸へと飛ぶ。

 二人は何も語らず、ただ並んで殺風景な風景を見つめる。

 そこにあるのはただ、大切なパートナーを失うかもしれないという、漠然とした不安。

 

  君を忘れてしまうかもしれないよ

  とぎれた時の行方は わからないし

 

 そしてその不安は………。

 

 

 十一曲目 「いとしのテラ」

 ふたりは自分たちではどうにもできない力によってまた引き裂かれ、時空をさまよってしまう。

 

   遠く離れたまま 声さえ届かない

 

  Terra 夢からさめて 僕を探してくれ

 

  Terra 夢からさめて 僕を見つめてくれ

 

  最後に 僕だけを愛してくれる君

 

 この果てしない”旅”はいつ終わるのか。

 終わりはあるのか。

 

 

 十三曲目 「It's Time」

 長い旅路のすえ、ようやく得た平穏の日々にも、いつか終わりは来る。

 

   It's time もう行かなくちゃ

  やさしい光が包むあの場所へ

 

  流れる時は 大きなシンフォニー

  立ち止まる二人は 小さなMistone

 

  It's time もう行かなくちゃ

  なつかしい光が 僕らを待つ場所へ

  It's time………

 

 この歌詞の意味するところは明らかである。

 しかしこれが永遠の別れ、”旅”の終わり、

 なのかは、分からない。

 また新たな”物語”の始まりかもしれないのだ。

 

 

mistone(紙ジャケット仕様)

mistone(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:杉真理
  • 発売日: 2007/07/25
  • メディア: CD
 

 

 

 このアルバムは一つ一つの短編が集まり、一枚で「時間と空間が主人公」のひとつの大きな物語をなしているように思われる。

 が、決して冗長な感じはなく、一気に聴き通せるだけの”質の高さ”がある。

 当アルバムの素晴らしさは、ワタシの拙い説明では伝わらないだろう。

 ミもフタも無いが(笑)。

 実際に”通し”で聴かれたほうが、 「時空の旅」の機微を実感できるはずである。

 是非一聴をおすすめしたい。

 

 では、よい”旅”を。