Good Old Music 、Fantastic高校野球

林業家kagenogoriが70's~80'sの珠玉の音楽、そして高校野球、etc.についてのたまうブログ

月を想う 第二章  『月の音楽』

 

これはまだ春先、一月以上前の月(だったはず.笑)

 

 

 

見渡す山の端 かすみ深し・・     (「朧月夜」)

 

 なんだかよく分からないと思いますが、ピンク・ムーンの「月の出」です(笑)

 

 

 我が家の東側、雑木林から昇って来るところです。

 

 

 葉が落ちた状態なら、樹々のすき間から見える感じになるのですが、

 

 もう芽吹いて葉をつけ出しているので、こんな感じ(笑)です(´∀`*)ウフフ

 

 スマホではこれが限界です(笑)

 

 

 ここから徐々にピンク・ムーンは空の高みを目指して登っていきます(*^^*)

 

 

 

 

新緑萌える雑木林



 

 

 

 

 

我が家の「月」の本、とりあえず4冊。

 

 

 

 古来、月、あるいは月の光は「神秘なるもの」の象徴でした。

 

 

 

 「太陽の光」は理解が容易い。

 

 すなわち

 

 「生命の源」「農作物など植物を育てるもの」「パワーの源泉」「強烈な光」

 

 などなど、、、

 

 

 

 月の光はつかみどころが無い。

 

 少なくとも表面的には、何かを育てたり、役に立っているようには見えない。

 

 

 

 でも月の光は見ていると落ち着く。

 

 それだけでなく心の奥底から、、細胞の一つ一つから、、

 

 湧き出てくる「何か」を感じる・・・

 

 

 

 太陽のように直接的作用はおよぼさないものの、

 

 それでもなにか「精神」と「肉体」に働きかける力が、

 

 月の光にはあるようです。

 

 

 

 「月狂い」を自認する知の巨人・松岡正剛はそれを、

 

「月の冷光力」と表現しました。

 

 

 

 

 

 

 古今東西を問わず「月」は、芸術や文学を愛し、また志す人達に

 

 常に大きなテーマを与え続けて来ました。

 

 

 月が無ければ、芸術も、文学も、生まれなかったのではないか、、、、

 

 そう思えるほどです。

 

 

 

 面白いのは、月を扱った芸術・文学は、

 

 どれも「ひんやりした感触」を伴っている、ということ。

 

 

 裏を返せば、いかに「月の冷光力」を表現するか、

 

 が、アーティストや文学者の腕の見せ所なのでしょう。

 

 

 

 音楽に例を求めれば、

 

 ベートーヴェンの「月光」

 

 ドビュッシーの「月の光」

 

 などが、まさにそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回のタイトル、『月の音楽』

 

 実はアルバムのタイトルなんです。

 

 

 ’97年、環境音楽家の神山純一さんが、大自然と宇宙をテーマにした、

 

 「FOREST GREEN」という連作をリリースしました。

 

 

 「星の音楽」「海の音楽」「草原の音楽」「雪の音楽」、、、

 

 等々のいくつものアルバムの中、

 

 

 ワタシが聴いた限りでその内容、音楽のクォリティが突出していたのが、

 

『地球の音楽』、そして今回ご紹介する『月の音楽』なんです。

 

 

 『月の音楽』、それぞれの曲には月のクレーターの名前が付けられています。

 

 

 そして有名なクレーターには、

 

 歴史上の偉大な天文学者の名前が付されているようです。

 

 

 

 『月の音楽』でのそれぞれのクレーターの曲について、

 

 何故その音、そのメロディになるのか、、、

 

 ワタシにはよく分からない(笑)のですが、

 

 それぞれの曲が素晴らしいことには、間違いが無いのです。

 

 

 とにかく、聴いてみていただきたいのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ティコ・クレーター。

 

 非常に大きな光条を持ち、もっとも目立つとも言われるクレーターです。

 

 

 ヨハネス・ケプラーの師でもあった天文学者

 

 ティコ・ブラーエ(1546-1601)にちなんで命名されました。

 

 

「ティコ」

www.youtube.com

 

 

Wikipediaより

 

 

 

 

山の端の月はさやかに照らせども・・

                   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリスタルコス」

www.youtube.com

 

 

 

踊る月



 

 

 

 

 

 

「クラヴィウス」

www.youtube.com

 

 

 

 

月朧

 

 「月朧」は春の季語だそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 太古より洋の東西を問わず、

 

 「女性」の象徴であり、また「水」との親和性が語られてきました。

 

 

 多くの生き物たちの生命のリズム、

 

 特に生殖・誕生に関わるリズムが、

 

 月の満ち欠けのリズム、さらには新月・満月のリズムと同期している、、、

 

 

 ということに、人々は古くから気付いていたのでしょう。

 

 

 

 また世界各地の「月の神話」にはしばしば

 

 「月から水が降って来る」という観念が見られるようです。

 

 

 

 これらのことは様々な学問の枠を超えて、興味深いテーマとなり、

 

 数多くの著作、研究書を生み出しました。

 

 

                             ん?(笑)(´∀`*)ウフフ

 

 右端は知る人ぞ知る、知らない人は全く知らない(笑)、

 

 しかし読みだすと止まらない(?笑)一冊です(#^.^#)

 

 百年後にはこの本の真価が正当に評価されているはずである!

 

 と著者は意気込んでいるようです(笑)(^▽^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リンネ」

www.youtube.com

 

 

 

朧月夜、、、、、、じっと見つめる月の女神

 

 

 

 

 

 

 

プラトー

www.youtube.com

 

 

 

 

 

雲間より 月起き上がるけしきして、、、

もうすぐ明け方ですので、「月起き上がる」ではないですね(´∀`*)ウフフ

 

 

 

 

 女性、、水、、生殖、、誕生、、、、

 

 

 とくれば、月が「豊穣(豊饒)」と結び付けられるのは、

 

 太古においては必定であったことでしょう。

 

 月のリズムが農作物や水産物に関わるとなれば、なおさらのこと。

 

 

 ここでもやはり洋の東西を問わず、

 

 月の女神「豊穣の女神」の性格も併せ持つことが多かったのです。

 

 

 

 

 

「フルネリウス」

www.youtube.com

 

 

 

 

 

 

落ちかかる月を観ているに一人         

                            種田山頭火(1882-1940)



 

 

 

 

 

 

 

 月の満ち欠けはまた、人々に「死と再生」を想起させました。

 

 

 月にあるという「不死の妙薬」、

 

 月に由来する若返りの越(コシ)の変若水(ヲチミズ)、、、

 

 

 などと人々はかなりの期待も込めて「月と不死」への想像を逞しくしました。

 

 

 

 人も含めたすべての生き物は、生まれてから成長を続け、

 

 大きく力強くなっていきます。

 

 

 しかしただ力強くなっていくだけではなく、成長するにしたがって少しずつ、

 

 「ケガレ」に代表されるような様々な負のエネルギーも溜め込んでいきます。

 

 それが、老衰、さらには「死」につながっていく、と人々は考えたのです。

 

 

 それに比して月は成長し切った満月から徐々にやせ衰えてゆき、

 

 新月で「死」を迎えるように見える、、、、

 

 が、その翌日にはもう新たな月が誕生している。

 

 「月の死」と思われた新月は、実は新しい月の「誕生」の前触れでもあった、、、

 

 

 月はそうやって「死と再生」のサイクルを永遠に続けている。

 

 

 ふと地上に目を凝らせば、

 

 月と同じく「死と再生」を繰り返しているかのような生き物がいるではないか。

 

 

 蛇や蟹のような動物やカイコのような昆虫は、

 

 脱皮を繰り返すたびに大きく、力強く、生まれ変わっているように見える。

 

 

 農作物などの植物も秋に収穫されて枯れてしまい、

 

 冬の間はタネや球根の状態で暗い地面の下に「籠もり」、

 

 春になると生き返ったように新たな生命が芽吹いてくる。

 

 

 じゃぁ、、、と人々は考えた。

 

 

 ヒトも同じことをすれば、、、、

 

 

 すなわち「擬き(もどき)」としての「死」の状態を、

 

 真っ暗な空間に「籠もる」ことで作り出し(「擬死」)、

 

 そこから解放されることで、

 

 以前よりも力強く若々しい自分に生まれ変わる(「再生」)ことができる、、

 

 

 という「擬死再生」の儀礼が、

 

 主に人生の節目節目の行事として行われたのです。

 

 

 

 日本で言えば、各地に残る「胎内巡り」、

 

 三河地方の「花祭」におけるシラヤマ行事、

 

 越中立山芦峅寺の布橋灌頂、、、

 

 などが挙げられます。

 

 

 昔の花嫁が白無垢を身に着けたのも、

 

 「一度死んで、新たな自分に生まれ変わる」(死装束の)意味があると言われ、

 

 広義の「擬死再生」儀礼と言えるのかも知れません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プロクルス」

www.youtube.com

 

 

 

ルナティック



「ルナティック」・・・直訳すれば「月的」ですがその実、

               「狂気的」の意味があります。

 

 

 

 でも「月」=「狂う」ということにさえも、

 

 ロマンティックな部分を感じてしまうのです(*´ω`*)

 

 

 

 先述の松岡正剛はその名著『ルナティックス』の中で、

 

 

  ルナティックであること、

 

  それは平安王朝の感覚語の極北「をかし」という感覚にも近い。

 

 

 と述べています。

 

 

 

4月20日(水) 明け方3時50分の月



 

 

『月の音楽』いかがだったでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

     まん丸いお月様に対抗心を燃やす、四角いまる君(*´▽`*)

 

 

ボクもここに籠もって生まれ変わるニャ!  さぁ!早くフタを閉めておくれニャ!

 

 

 

 

 

 

ここからは雨がそぼ降る山の景色を何枚か、、、

 

4月15日(金) 雨模様

 

 

 

ブナも芽吹きました。

 

 

雨に濡れるコシアブラの芽吹き。

 

 

 コシアブラの芽は、大変おいしい山菜のひとつです。

 

 うしろにポツポツ白く見えるのは、タムシバの花。

 

 

 

ブナとヤマザクラ

 

 

 

 天から降る雨も、

 

 月がもたらしているもの、

 

 なのかもしれませんね(*´ω`*)