Good Old Music 、Fantastic高校野球

林業家kagenogoriが70's~80'sの珠玉の音楽、そして高校野球、etc.についてのたまうブログ

吉澤嘉代子 かそけき唄世界

 NHKのJ-MEROで久しぶりに吉澤嘉代子を目にした。

 「残ってる」を歌っていた。

残ってる

  

 いい。やはり吉澤嘉代子はいい。

 この人の唄を聴いてると、しばし言葉を失い、ピーマンアタマのような感想しか言えなくなる。

 吉澤嘉代子の魅力やその才能の素晴らしさについては、すでに多くの人が色んな媒体で絶賛しているので、ワタシのようなピーマンの出る幕はほぼないのだが、それでも少し言わせてくれ。絞り出すので(笑)

 

 まず歌詞の日本語の”美しさ”。

 言葉の美しさだけではなく、彼女独特の視点で”日本の美”を切り取っている。

 それがある種幻想的な世界観を醸し出し、作品の芸術性を高めている。

 

 しかし、思うに彼女の唄の一番の魅力は、彼女自身の”歌声”ではなかろうか。

 彼女の唄声を聴いていると、ある美しい日本語が浮かぶ。

 ”かそけき”、である。

 吉澤嘉代子の唄世界は、日本的な表現ということで椎名林檎とも比較されよう。

 しかしどうも猛女のイメージがある椎名(スミマセン‥‥個人的感想です)よりも、日本の情景の繊細な(まさに”かそけき”)部分を表現するに、吉澤の”かそけき”歌声と表現力がふさわしい。

 最初にそれを感じたのは、名曲「東京絶景」

東京絶景(通常盤)

 

 

 だが、この「残ってる」にもその”幽けき美”は横溢している。

 もちろんこの曲を収録するアルバム『女優姉妹』にも。

女優姉妹 (通常盤)

 

 

 そそるジャケットそのままの”耽美”かつ”かそけき”世界が淡々と紡がれている。

 ワタシの好きな、”幽けき日本美”の伝道者(でもある)松岡正剛氏にも、ぜひ吉澤嘉代子を聴いてほしいと願っている。