Good Old Music 、Fantastic高校野球

林業家kagenogoriが70's~80'sの珠玉の音楽、そして高校野球、etc.についてのたまうブログ

雨の日とジャズ JAZZの名曲・名盤

雨の日、雨の夜にはなぜかジャズを聴きたくなります。今回はその中でも選りすぐりの名曲・名盤を紹介しましょう。

 

マイルス・デイヴィスクインテット

 「ラウンド・ミッドナイト」

ラウンド・アバウト・ミッドナイト+4

 「マイルスのトランペットは泣いている」と言ったのは誰だったか。

  Miles Davisの「泣き」のトランペットを聴きたいのなら、いの一番に挙げたいのは超名盤『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』の冒頭を飾る、この「ラウンド・ミッドナイト」

 泣きのトランペット泣きのアルト(サックス、いろいろあるが、「泣き」は「雨」とよく似合う。 

 

 

 

  

セロニアス・モンク

 『セロニアス・ヒムセルフ』

セロニアス・ヒムセルフ+1 

セロニアス・ヒムセルフ+1

セロニアス・ヒムセルフ+1

 

 

セロニアス・ヒムセルフ+1

セロニアス・ヒムセルフ+1

 

 

  ジャズ・ピアノの音色も雨とよく合うのは言うまでもない。

 それがソロ・ピアノとなると、なおさらである。音の一粒一粒は雨粒のごとく。

 モンクの訥々(とつとつ)とした語り口のピアノは、降る雨音というよりは、さながらポタリポタリと落ちてくる雨だれのようだ。

 雨の夜、この『セロニアス・ヒムセルフ』を聴きながら、ウィスキーをストレートでちびりちびりと飲りたいものである。

 

 

 

ビル・エヴァンス

 『アンダーカレント』 

アンダーカレント

 

アンダーカレント

アンダーカレント

 

 

  ビル・エヴァンスの物静かだが粒の揃ったピアノの音色は、そぼ降る梅雨の霧雨。

 その雨に寄り添う人の心情を紡ぐのはジム・ホールの、やはり静かだが粒の揃ったギターの音色。

 その逆もまた真なり。

 

アローン・アゲイン

アローン(アゲイン)(紙ジャケット仕様) 

 

アローン(アゲイン)

アローン(アゲイン)

 
アローン(アゲイン)(紙ジャケット仕様)

アローン(アゲイン)(紙ジャケット仕様)

 

 

  ビル・エヴァンスソロ・ピアノで有名なのは『アローン』。一曲目に雨の曲「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」もありオススメではあるのだが、ワタシがより力を込めて推薦したいのが、その続編ともいえるこのアローン・アゲインなのである。

 一般に比較的評価が高いのは『アローン』の方なのだが、演奏が硬質ガラスのようで(だから素晴らしいと言えるのだが)、あまりシットリした気分にはさせてくれない。

 アローン・アゲインは晩年の作品で、往年の切れ味の鋭さよりも、より円熟味を増した艶やかさに溢れている。もちろんテクニックは衰えておらず、その演奏はエロティックでさえある。抒情的とはこの作品のためにある言葉(CDの帯には”内省的”と書かれていたが)。

 漆黒の雨の夜、大人の男女が二人きりで聴くにはいいアルバム、かもね。

 

「マイ・フーリッシュ・ハート」

ワルツ・フォー・デビイ+4

 

ワルツ・フォー・デビイ

ワルツ・フォー・デビイ

 

 

ワルツ・フォー・デビイ+4

ワルツ・フォー・デビイ+4

 
ワルツ・フォー・デビイ

ワルツ・フォー・デビイ

 

 

   あまりにも有名なアルバム『ワルツ・フォー・デビイ』に収録の、あまりにも有名なこの曲、この名演。

 失恋したアナタは、窓の外の雨を眺めながらこの曲を聴いて下さいな。ビルのピアノスコット・ラファロベース、そしてロマンティックなメロディが、優しく貴方を包んでくれることでしょう。

 

 

 

 

ジョー・パス 

 『ヴァーチュオーゾ』

ヴァーチュオーゾ 

 

ヴァーチュオーゾ

ヴァーチュオーゾ

 

 

ヴァーチュオーゾ(紙ジャケット仕様)

ヴァーチュオーゾ(紙ジャケット仕様)

 
ヴァーチュオーゾ

ヴァーチュオーゾ

 

 

  「雨の日のジャズ」のイチオシは実はこの作品。

 独り過ごす雨の日。そぼ降る雨の中に沈み込んでしまいそうな心を、ジョー・パスギターがそっと慰めてくれる。

 

 

 

 

マッコイ・タイナー

 『バラードとブルースの夜』

バラードとブルースの夜

 

Nights Of Ballads & Blues

Nights Of Ballads & Blues

 

 

バラードとブルースの夜

バラードとブルースの夜

 

 

  顔と名前に似合わず(笑)、ここで流麗なピアノを奏でるマッコイ。表現力も一流であることを改めてこのアルバムで示した。

 これを聴きながら、たまには雨の夜を愛でるのもいい。

 

 

 

 

ポール・デスモンド

 『イージーリヴィング』

イージー・リヴィング

 

Easy Living

Easy Living

 

 

イージー・リヴィング

イージー・リヴィング

 
イージー・リヴィング+2(期間生産限定盤)

イージー・リヴィング+2(期間生産限定盤)

 

 

  この人の演奏を最初に聴いたとき、これがアルト・サックスの音色だとは到底信じられなかった。それほどポール・デスモンドのアルトは、優しく、温かく、胸にそっと染み込んでくる。

 このアルバムは超のつく名作といっていい。

 ここでもギタージム・ホールがいい仕事をしている。久しぶりに会った親友がしみじみと語らい合うかのような味わいが、二人の演奏にはある。

 加えて、アルバム全体を覆う絶妙な音のくすみ具合が、霧雨にむせぶ情景のようないい味を出している。

 ワインでもウィスキーでもいい。酒を片手にじっくりと聴き込みたい一枚。

 

 

 

 

ケニー・バレル

 ミッドナイト・ブルー

ミッドナイト・ブルー+2 

Midnight Blue (The Rudy Van Gelder Edition)

Midnight Blue (The Rudy Van Gelder Edition)

 

 

Midnight Blue

Midnight Blue

 

 

ミッドナイト・ブルー

ミッドナイト・ブルー

 

 

ミッドナイト・ブルー

ミッドナイト・ブルー

 

 

  打って変わってこれはなかなかにハードボイルド

 BLUEだが粋なケニー・バレルギターに絡むヘヴィーなベース、気だるそうなスタンリー・タレンタインテナー・サックス

 コートを着た男が、傘も持たずに都会の路地裏を一人濡れながら歩いていく、といった映画の一コマを彷彿とさせるブルースな作品。

 

 

 

 

ジョン・コルトレーン

ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン』

ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン

 

John Coltrane & Johnny Hartman (Classics)

John Coltrane & Johnny Hartman (Classics)

 
ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン

ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン

 

 

  ジョニー・ハートマンの甘い歌声に、コルトレーンのメランコリックなテナー・サックス。これ以上、何が望めようか。 

 夜の雨音をバックに、酔いしれたい。

 

 

 

 

南佳孝 「COOL」SEVENTH AVENUE SOUTH

 

SEVENTH AVENUE SOUTH

SEVENTH AVENUE SOUTH

 
SEVENTH AVENUE SOUTH

SEVENTH AVENUE SOUTH

 

 

  南佳孝はジャズじゃねえじゃねえか、と言われそうだが、彼の超名盤Seventh Avenue South』はNYジャズの凄腕たちの名演をバックに、佳孝が都会の夜を歌い上げるという贅沢な作品。

 なかでも一曲目「COOL」の冒頭、いきなりデイヴィッド・サンボーンの「泣きのアルト」のソロで始まるという信じがたい豪華さ。

 これだけでも聴く価値はある。心の中はすでに「雨」。