今回は、80年代にソウルフルな高品質Popsを次々に発表し、Japanese Popsのレベルアップに大いに貢献されたEPOさん。
彼女の最高傑作と私が勝手に認定(笑)した『GO GO EPO』。
もともとソウルフルなPopsを世に送り出していた彼女の作品群のなかでも、このアルバムは特にソウル・フレイヴァーに満ちている。夏の夕暮れ時に聴くと程よくハマリまっせ。
とは言え、このBLUEなジャケット写真からイメージされる通り、じつはこのアルバムには幸せな曲は一つもない。
全編通じて描かれるのは、周りに負けまいと、あるいは自分に負けまいと、またあるいは恋のライバルに負けまいと、大都会の真ん中で肩肘張ってでも前に進もうとガンバル若いオフィス・レディの姿。
そしてEPOは自分自身の姿をもそこに投影させていたのかもしれない。だからこその「GO GO EPO」のタイトル。
恋人との辛い別れ。
女の友情を裏切ってでも奪った親友のボーイフレンド。
いらだつオフィス。
仕事場に向かう憂鬱な地下鉄の階段。
自分はОLになったことがない(当たり前!笑)ので、その辛さとかBLUEな心情は、表面的にしかうかがうことは出来ない。
しかしこのアルバムの各主人公たちは、それで寂しい気持ちになったり、疲労感をため息にして出してみたり、遠くを見つめたり(笑)することはあっても、下をうつむくことなく、懸命に踏ん張ろうとする。前を向こうとする。
EPOはそんな彼女たちの、イタイ部分をさらけ出すような日常を、あえて正直に切り取ることで、逆に彼女たちを応援しようとしている。ワタシにはそう感じられる。
これは応援歌である。
恋に仕事に疲労感を募らせているОLたちへの応援歌である。
心身ともに疲れ切っているときには、優しく包み込んでくれるような癒しの音楽がいいのかもしれないが、このような音楽も時にはいいのではないだろうか。
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