秋のジャズの後編。
皆様、秋の夜、いかがお過ごしでしょうか。
まずはロマンティックというより、どちらかと言えば男性向きのクールかつハードボイルドな夜の逸品を。
マイルス・デイヴィス 「ラウンド・ミッドナイト」
ここでもジョン・コルトレーンがいい仕事してる。
前編で紹介したチェット・ベイカー。
実は本当に紹介したかったのはこの曲だったのです。
「アローン・トゥゲザー」
Alone Together・・・なんて悲しい言葉なんだろう。
でもそれゆえに、二人の愛は深まる。
もう一曲チェット・ベイカーで秋の曲を。
「ティス・オータム」
この二曲を収録した歴史的名盤『CHET』。
ピアノにビル・エヴァンス、
バリトン・サックスにペッパー・アダムス、
ベースにポール・チェンバース、
ドラムスにフィリー・ジョー・ジョーンズとコニー・ケイ
……等
という錚々たるメンバーをサイドに配している。
’58年~’59年の録音だから、チェット・ベイカーだけではなく、サイドの彼らにとっても、全盛期における録音だったわけだ。
その彼らが火花をちらすでもなく、粛々と自らの役割をこなし、この奇跡的ともいえるリリカルな名演を生み出している。
「泣きのアルト」という言葉がある。
アルト・サックスの音色は、人間の感情を乗せやすいのだ。
しかし、この人のアルトは泣かない。
感情や勢いに任せたプレイはあまりしない人なのだ。
だからと言って、クール、というわけでもない。
ワタシは密かにこの人のアルトを
「微笑みのアルト」(笑)、
あるいは
「脱力のアルト」(笑)
と呼んでいる。
今初めて言うのだが(笑)
一応念のために言っておくが、ワタシはこの人の唯一無二の音色が大好きである。
ポール・デスモンド 「ビウィッチド」
ジム・ホールのギターが美しい。
「簡単な人生」
人生、難しく考えるからムズカシイ人生になってしまう。
簡単に、シンプルに考えませんか?
ポール・デスモンド 「Easy Living」
ジャズで秋といえばもうひとつ、
「ニューヨークの秋(Autumn in New York )」。
この名曲を、それぞれ違った楽器による三連発で。
まずはジミー・スミス。
エネルギッシュ(過ぎる.笑)オルガン奏法で有名な人だが、こんなロマンティックな演奏もできるんだなぁ(笑)
ジミー・スミス 「ニューヨークの秋」
歯切れの良いプレイはこの人ならでは。
二人目は、ワタシが一番好きなジャズ・ギタリスト、ケニー・バレル。
BLUEが似合う男。
ケニー・バレル 「ニューヨークの秋」
最後はワタシがテナーで一番好きな人、デクスター・ゴードン。
去年、この人には助けられた。
この人の演奏で、やはり「ニューヨークの秋」を。
デクスター・ゴードン 「ニューヨークの秋」
ジャズで感じる秋、いかがでしたでしょうか。
長い曲が多いですが、秋はまだまだこれから。
枯葉が散る初冬にかけてゆっくり時間をかけてお聴きいただければ(^ω^)