Good Old Music 、Fantastic高校野球

林業家kagenogoriが70's~80'sの珠玉の音楽、そして高校野球、etc.についてのたまうブログ

ポッカリ空いた心の隙間にやたら染み入るデクスター・ゴードン

 父の死から早や十日が過ぎマシタ。

 あれ以来、音楽と言えばジャズしか聴いていない。ジャズしか聴く気がしない。

 前回、マイルス・デイヴィスの音楽が思いのほか「優しかった」ことを述べたワタシ。

 これまでウン十年、マイルスの音楽には、ハード・ボイルドなイメージでしか接して来なかったのですが。

 

 そして今もっぱら聴いているのは、デクスター・ゴードン

Dexter Blows Hot and Cool (Remastered)

 このヒトのテナーも昔から大好きで聴いているが、このヒトの音楽の「優しさ」にはさすがに以前から気が付いていた。

 というかたびたび癒されたり、救われたりしてきマシタな。

Go

 もちろんデクスターの持ち味は、素っ頓狂にも思えるヒトを喰ったような天才的なプレーにあるのはもちろんのこと。

 でもこれもよく知られているように、バラードにおけるプレイが天下一品、唯一無二ナンデス。これがまた。

 

 ジャズでもとくにサックスでよく使われる表現で「歌ってる」というのがある。

 もちろん歌心溢れるプレイ(それには超絶的な技能が必要なのは言うまでもない。ワタシはよく分からんが.笑)を指していうホメ言葉なんだけど、デクスターのバラードは本当に歌っているように聴こえる。

 デクスターが死ぬ直前に主演した映画『ラウンド・ミッドナイト』では、デクスター演じる伝説のサックスプレイヤーが、(確か「ニューヨークの秋」だったと思うけど)歌詞が思い出せなくてそのフレーズを吹くことが出来ない、と語るセリフがあった。 

 

ダディ・プレイズ・ザ・ホーン

ダディ・プレイズ・ザ・ホーン

 

  それは単に映画のなかの決められたセリフだったのかも知れないけど、デクスターなら本当にそういうこともありそうだ、と思わせるリアリティがあった。 

Doin' Allright

Doin' Allright

 

 

 それだけではなくてデクスターは、自身が重度の麻薬中毒で、非常に苦しい後半生を生きたヒトだった。

 そんなデクスターには辛かったり悲しんでいるヒトの気持ちが分かるのだ、とは言わないけれど、このヒトはたとえヒトの気持ちが分からなくても、そのサックスプレイでヒトの気持ちに寄り添うことが出来ヒトなのだ。 

One Flight Up

One Flight Up

 

 

 だからワタシはデクスター・ゴードンを愛してやまないのだ。

 だから今もデクスター・ゴードンを聴く。

 肉親が死んで(悲しいということではないけれど)心の中がポッカリ空いたようになった今、デクスターを聴いている。

 癒されたいわけではない。

 ただ何となく、ココロの奥底がデクスターを求めている。そんな気がする。

 デクスター、ありがとう。 

ア・スインギン・アフェアー (紙ジャケット仕様)

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