70's~80'sでない曲・アルバムも多数あり、「看板に偽りあり」になってますが、まぁ、いいかと(笑)。
上々颱風 「月の小舟」
こんなにも美しく、こんなにもファンタジックな曲は他にはない。
夜空を流れる天の川を、月の小舟を浮かべて渡りましょうというメルヘンのような歌。
自分が宇宙や天の川が大好きだという以上に、この歌があることで、どれだけ救われてきたことか。
(4)「衝撃を受けた曲」で紹介した「菜の花畑でつかまえて」と並んで、自分にとってなくてはならない曲になった。
『上々颱風3』収録。
佐野元春 「WILD HEARTS」「月夜を往け」 「黄金色の天使」
誰にでもあるのかもしれないが、自分にはスナフキンのように(笑)世界を旅、というか放浪することへの強い憧れと願望がある。
若いころの元春自身にも、そのようなボヘミアン気質があったのではないかと思うが、ここに挙げた3曲は、実は自分の人生を生きていくことこそが、長い放浪の旅路なのだと改めて教えてくれた。
自分が抱えている「見知らぬ夜明け」に向かって往く旅路、あるいは愛するパートナーと始めようとする長い旅路の始まりは 「月明りだけが頼りの、冷たい風が頬を突き刺す夜」かもしれない。
それでも、月だけは空から見守ってくれるだろう。
旅路の果て、あるいはその途中で久しぶりに出会う昔の友人や恋人。
誰もが若い頃に追い求めた、まだ見ぬ「黄金色の天使」。彼らと共にそれを探し求めたことこそが長い旅の始まりだったのだ。
そして「黄金色の天使」を探す旅はまだ終わらない。恐らく死を迎えるその時まで。
「WILD HEARTS」 『Cafe Bohemia』に収録。
「黄金色の天使」 『COYOTE』に収録。
杉真理 「It's Time」
It's time. その時が来た。
「その時」とは、自らの死の瞬間。
愛する人たちに見守られながら、心の中で別れを告げる。
「もう行かなくちゃ。懐かしい光が僕らを待つあの場所へ」
「その時」が来たことを悟りながらも、優しい気持ちを失わない主人公の「愛」に涙。
アルバム『MISTONE』に収録。
矢野顕子 「Hard Times, Come Again No More」
心身ともに苦しかった若い頃。
自分の情けなさ、能力の無さに、何度も何度も、気持ちが切れそうになった。
この曲の「癒し」があったからこそ、何とか踏みとどまることができた。生き残れた。
大人のズルさ、処世術。そんなものが身に付いたオッサンになってしまった今となっては、この曲を聴くことがあまりなくなった。
アルバム『WELCOME BACK』に収録。
南佳孝 「静かな昼下り」「昼下がりのテーブル」
どちらも夏の「昼下がり」 を唄った曲だが、共通しているのは、孤独。
私は、どうも「孤独」が好きらしい。
南佳孝もおそらくそうなのかもしれないし、男には多かれ少なかれそういう部分があるのかもしれない。
佳孝は「孤独」の状況を礼賛するわけではなく、否定も、肯定も、しない。
「昼下がりのテーブル」 アルバム『Daydream』収録。
星野源 「知らない」
アルバム『ストレンジャー』に収録の「知らない」。
大切な人を失い、ひとりになって初めて見える「知らない景色」。
おそらくこの先もずっと見なくてはならない一人の景色。
何故だか分からないが、なくてはならない曲になってしまった。
これから先もずっと聴き続けるだろう。
このアルバムは、他にも「夢の外へ」「季節」と大好きな曲があって、星野源では一番好きな作品。