Good Old Music 、Fantastic高校野球

林業家kagenogoriが70's~80'sの珠玉の音楽、そして高校野球、etc.についてのたまうブログ

洋楽アルバムBest10 

 

 前回は痛ましい事件のあとを受けて、かなり暗く沈んだトーンの記事になってしまいました。もちろん必要だと思ったことを書いたまでなのですが。

 

 亡くなった方たちへの哀悼の念と、身体と心に深い傷を負ってしまわれた方たちのできるだけ早い回復の願いを心に留めつつ、ここはつとめて明るく行きたいと思います!

 

 題して

超個人的洋楽アルバムBest10!

数十年にわたって洋楽(Rock、Soul、Pops)を聴いてきたワタクシkagenogoriが、最近に至ってもまだ聴いている(笑)アルバムのランキングです。

もちろん独断と偏見ですが、若い方は是非参考に(笑)。

 

では1位から順にいきたいと思います。ここからは「ですます調」をかなぐり捨てます(笑)。

 

1位:

ザ・ローリング・ストーンズ 『レット・イット・ブリード』(’69)

レット・イット・ブリード

 

レット・イット・ブリード

レット・イット・ブリード

 

 

 圧倒的な1位。

 浮わついているように見えながら、じつは誰よりも地に(というより大地に)足をつけ、周囲の雑音などどこ吹く風で、我が道を悠然と突き進む。そんなストーンズらしさが最もよく出たアルバムだと思う。

 ストーンズで一番好きな「モンキー・マン」も入ってるし。まがまがしさが横溢している。

 

 他のアルバムでは『スティル・ライフ』『ラヴ・ユー・ライヴ』のライヴ・アルバム二枚が、とにかく迫力満点。ロックンロールの教科書。

Still Life (Reis)

 

Still Life (2009 Re-Mastered Digital Version)

Still Life (2009 Re-Mastered Digital Version)

 

 

 

ラヴ・ユー・ライヴ

 

Love You Live (Remastered 2009)

Love You Live (Remastered 2009)

 

 

  ロックンロールの玉手箱『アンダーカヴァー』、派手さはないが佳曲ぞろいで聴き飽きることがない『メインストリートのならず者』(これも最もストーンズらしい作品かも)、『ブラック・アンド・ブルー』も素晴らしい。

メイン・ストリートのならず者

 

Exile On Main Street (Deluxe Edition)

Exile On Main Street (Deluxe Edition)

 
Exile On Main Street (2010 Re-Mastered)

Exile On Main Street (2010 Re-Mastered)

 

 

 

ブラック・アンド・ブルー

 

Black And Blue (Remastered 2009)

Black And Blue (Remastered 2009)

 

 

 

 

2位:

カルロス・サンタナ 『ハヴァナ・ムーン』(’83) 

ハバナ・ムーン

サンタナのリーダーのソロ・アルバム。

 インスト曲はただひたすらに美しく、ボーカル曲はアップ・テンポもスロー・テンポも口ずさみたくなるような親しみやすさ。

 そしてアルバム全体に溢れるラテン・トロピカルの雰囲気。どこか遠くで鳴っているような感じもいい。

 「熱帯の湾上に浮かぶ満月」のジャケットそのままのアルバムだ。

 暑く寝苦しい夜に聴きたい。

 

Havana Moon

Havana Moon

 

 

 

 

3位:

スティーリー・ダン 『ガウチ』(’80) 

ガウチョ

彩(エイジャ)とどちらにしようか迷ったが、こちらにした。

 偏執的にまで高いクォリティーは、もちろん両者に共通するところだが、『ガウチョ』にはラテン世界特有の哀調が見事に表現されているところがいい。

 そのクライマックスがラストの「サード・ワールド・マン」。

 すべてを聴き終わったあとの満足感と、何とも言えない虚無感はこのアルバム独特のものだ。

 

Aja

Aja

 
Gaucho

Gaucho

 

 

 

 

4位:

ニール・ヤング 『ハーヴェスト・ムーン』(’92)

 いいタイトルでしょう。

 この人の代表作は70年代初頭に出た『ハーヴェスト』だが、それから20年たって出た、よく似たタイトルのこれが自分の中では一番。

 彼独特の哀調を帯びた歌が、月夜にたくして謳われている、といった風情がたまらない。

 このアルバムを聴いていると何故か、これまでの人生が走馬灯のように思い浮かんでは消え、涙したくなってくる。

 中秋の名月(ハーヴェスト・ムーン)を虚空に眺めつつ、ウィスキーをストレートでちびちび飲りながら聴きたいものである。

 

Harvest Moon

Harvest Moon

 

 

 

 

5位:

リトル・フィート 『ディキシー・チキン』(’73) 

ディキシー・チキン <SHM-CD>

若い頃はそうでもなかったのだが、歳を重ねるにつれその良さが分かって来たのか、自分にとってなくてはならない、大好きになってしまった一枚。そういう異性っていますよね?

 ただもどかしいのは、このアルバムの良さを全く言葉で表現できないこと。大好きで仕方がないのに、じゃあ一体そのどこが好きなのかを言葉にして伝えられない俺のバカ。

 

Dixie Chicken

Dixie Chicken

 

 

 

 

6位:

フリートウッド・マック 『ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック』(’68) 

ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック

 

Fleetwood Mac

Fleetwood Mac

 

 

   70~80年代に西海岸のポップス・バンドとしてメガ・ヒットを連発していた彼らが、ロンドンのブルース・バンドとして活躍していた頃の、輝ける1st。うらぶれたロンドンの下町をモチーフにしたであろうジャケットもgood。

 名ブルース・ギタリスト、ピーター・グリーンがタイトル通りこのバンドのリーダーだったのだが、正直、ヤードバーズに在籍した三大~よりは、この人のギターのほうが全然いい。まあそこは完全に好みの分かれるところなんだろうけど。

 

 ブルース・バンドとしての彼らはこのあと『ミスター・ワンダフル』『聖なる鳥』(上記二作とシングルなどを編集したものだが、これがなかなか)と名作を連発する。人気の高い『英吉利の薔薇』はアメリカ向けの編集版。

 このうち『聖なる鳥』にも収録された「ブラック・マジック・ウーマン」を、のちにサンタナがカバーして名を馳せたのは有名な話。

 

English Rose

English Rose

 

 

 

 

7位:

ジョン・クーガー 『アメリカン・フール』(’82) 

アメリカン・フール+1(紙ジャケット仕様)

 

American Fool

American Fool

 

 

   ジョン・クーガーが好きである。

 このアルバムを出した翌年、ジョン・クーガー・メレンキャンプというけったいな名に改名し、さらにいつの間にかあろうことかクーガーを取り去ってジョン・メレンキャンプ(本名)となってからも私はジョン・クーガーと呼び続けた。いまだにメレンキャンプという名前には馴染んでいない。

 しかし彼は名前の変遷とは全く無関係に、いつの時代にも素晴らしい作品を出し続け、いまだに現役である。

 彼の歌には現実と生活に疲れたような気だるさがあるが、同時にそれを乗り越えようとする強い意志をも感じさせる。

 このアルバムはそんな彼の良さが最高の形で結実したものになっている。

 

 確かに『Uh-Huh』もいいし、『スケアクロウ』も素晴らしい。他にも素晴らしいアルバムは目白押しだ。

 しかし、アルバムの一曲一曲すべてが愛おしいと感じさせてくれるのは、これである。

 

Uh-HUH!

Uh-HUH!

 
Scarecrow

Scarecrow

 

 

 

 

8位:

トム・ペティ 『フル・ムーン・フィーヴァー』(’89) 

フル・ムーン・フィーヴァー

 

Full Moon Fever

Full Moon Fever

 

 

  トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズではなく、ソロ名義での傑作。

 とにかく好きですね、この人が。

 やっぱカッコイイもん。顔とか容姿ではなく、人としてのたたずまいが。先年、天国に旅立たれてしまったのが本当に残念でならない。

 もちろん音楽性も素晴らしい。ソロでも、ハートブレイカーズでもハズレ作品は一枚もないが、どのアルバムも「Rockの良心」みたいなものを感じさせてくれる。これで間違いないんだな、と。

 この人の作品を聴いてると、なんだかんだアメリカのRockにはかなわないと思ってしまう。

 もうDNAにしっかり刷り込まれているんじゃないかとしか思えないビート感&ブルース感だったり、大地にしっかり根付いた強さだったり。まあ要するにRock的身体感覚に彼らは優れているように思う。イギリスのロックは、もっとアタマで考え抜かれているというか、理屈が先に勝ってしまっている感じ。

 

  この人で唯一好き嫌いが分かれそうなのが、この人の声というか歌い回しなんだけど、それさえも私は中毒的に好きである。実際に聴いてもらうしかないんだけど、この感じがもっともよく出ているのが『イントゥ・ザ・グレイト・ワイド・オープン』。

イントゥ・ザ・グレート・ワイド・オープン

 

イントゥ・ザ・グレート・ワイド・オープン

イントゥ・ザ・グレート・ワイド・オープン

 

 

 ごりごりのファンからの批判も多いアルバムだけど、私は大好きですね。

 

Damn The Torpedoes (Remastered)

Damn The Torpedoes (Remastered)

 
Long After Dark

Long After Dark

 

 

 どのアルバムもいいんだけど、特に他にオススメするとすれば『破壊』『ロング・アフター・ダーク』かな。ぜひご一聴を!

 

 

9位:

ザ・クラッシュ 『ロンドン・コーリン』(’79) 

Blu-spec CD ロンドン・コーリング

 

London Calling

London Calling

 

 

  いきなり不安を掻き立てるビートと重低音が空気を震わせるタイトル曲でこのアルバムは幕を開ける。

 パンク・ロックの代表格である彼らがこのアルバムで訴えている主義主張の数々は、少年だった自分にとっては実はどうでもよかったのだけれど、何よりも魅了されたのは楽曲の良さ(センスという点ではトップクラスかも)、小気味よくもヘヴィーなビートである。

 

 「楽曲のセンス」と「小気味良いビート」というのは、当時のイギリスのパンクニューウェイヴの一流アーティスト達には、ある程度共通したものだったと思うけど、その辺りを堪能したい方には、エルヴィス・コステロの『ディス・イヤーズ・モデル』、ジョー・ジャクソンの『アイム・ザ・マン』をオススメしたい。

ディス・イヤーズ・モデル

 

This Year's Model

This Year's Model

 
This Year's Model (Deluxe Edition)

This Year's Model (Deluxe Edition)

 

 

I'm The Man

I'm The Man

 

  

 

 

10位:

ブルース・スプリングスティーン 『ネブラスカ』(’82) 

ネブラスカ(REMASTER)

 

Nebraska

Nebraska

 

 

  アメリカン・ロックの代表格ともされる彼が一時的にEストリート・バンドを離れて、アコースティック・ギターとハーモニカだけで作り上げた衝撃のソロ・フォーク・アルバム。

 秋の夜長に聴けばこれほどしっくりくる作品もないが、このアルバムの素晴らしさを支えているのは、もちろんそれだけではない。

 アメリカの現状に失望しながらも、それを静かに、そして厳しく見つめて、クォリティの高い曲の数々に昇華させている。

 のちに流行った、(同じくアコースティックでいながら)センチメンタリティ横溢の「アンプラグド」企画とは、その点で全く立ち位置を異にしている。

闇に吠える街(REMASTER)

明日なき暴走(REMASTER)

 名作『闇に吠える街』『Born to run(明日なき暴走)』と同様、この作品の存在意義がいまだに失われていないように見えるのは、アメリカの不幸なのかもしれない。

 

Born To Run

Born To Run

 
Darkness On the Edge of Town

Darkness On the Edge of Town

 

 

 

 

以上ですがどうでしょう。

かなり独特でしょう。『ハヴァナ・ムーン』が2位に来るランキングなんて(笑)。

 

そもそもアルバムBest10と銘打ってるわりには、アーティストBest10みたいになってしまっています(笑)。が、これにはちゃんとした理由があるんです。

それは、純粋にアルバムのBest10にしてしまうと、ストーンズだけで平気で4~5枚入っちゃうから(笑)。

 

熟慮の結果(笑)、このような変則的なランキング形式になったわけですが、その割にはB・Ⅾがいねぇじゃねぇか、あ、E・Cも、J・LもB(J・Lがいたグループですね)さえも入ってねぇじゃねぇかっ!

と、私と同世代か、それ以上のご年配の方々からの非難のお声がゴウゴウと聞こえてきそうですね。

 

私自身、この結果は少々意外でした。無責任ですが(笑)。

しかも気付いたらPops系やSoul系が全く入っていないという異常事態に(笑)。

 

そこで私自身納得したいので、勝手ながら急遽、11~20位も発表することに致しました。そもそも10という少ない数の中に収めようなどというのがムボウだったんですよ、思うに。

では次回。